Google、Microsoft:24/3Q決算を速報&AIによる影響を分析

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10月末にGoogle、Microsoftの24/3Qの決算が発表されました。GoogleはGemini、Google Cloud Platform、MicrosoftはAzure OpenAI、Copilotと生成AIに関連するラインナップを持っており、オフィス系ツール(文書作成、表計算、資料作成といった読み・書き・算盤)と統合することで更なるビジネス拡大を狙う企業なので、決算情報をフォローしてみようと思います。細かい分析は改めるとして、今回はまとめ記事では省かれてしまう具体的な財務数値をピックアップすることを意識しています。

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目次

Google(Alphabet)の3Q決算

連結売上:2024年第3四半期のアルファベット連結売上高は前年同期比15%増(為替一定ベースでは16%増)の883億ドルとなり、ビジネス全体で強い勢いを反映しています。Googleサービスの売上:Googleサービスの売上は前年同期比13%増の765億ドルで、Google検索、その他のサービス、Googleサブスクリプション、プラットフォームおよびデバイス、YouTube広告が堅調に推移しました。

Google Cloudの売上:Google Cloudの売上は前年同期比35%増の114億ドルで、AIインフラストラクチャ、生成AIソリューション、およびGCP(Google Cloud Platform)の主要製品が成長を牽引しました。営業利益:営業利益は34%増加し、営業利益率も4.5ポイント増の32%に拡大しました。純利益:純利益は34%増加し、1株当たり利益(EPS)は37%増の2.12ドルとなりました。

当社全体での成長は非常に力強いものです。イノベーションへのコミットメントとAIへの長期的な投資が実を結び、消費者やパートナーが当社のAIツールの恩恵を受けています。

検索分野では、新しいAI機能が検索の幅を広げ、ユーザーが検索する方法に変化をもたらしています。クラウド分野では、AIソリューションが既存顧客の製品導入を深め、新規顧客の獲得や大型契約の締結に貢献しています。また、YouTubeの広告およびサブスクリプション収益は、過去4四半期で初めて500億ドルを超えました。

今四半期では強い売上成長を達成し、効率改善の取り組みも功を奏し、収益率が向上しました。今後も世界中の消費者、顧客、クリエイターに向けてさらなる進展を提供することを楽しみにしています。

Alphabet CEO、Sundar Pichai
Google 3Qの財務数値(P/L)
Google 3Qの財務数値(P/L:million)
Amazon3Qの財務数値(セグメント別)
Google 3Qの財務数値(セグメント別)

出所:Alphabet Announces Third Quarter 2024 Results

Microsoftの24/3Q決算

2024年4月25日、MicrosoftはFY24第3四半期の業績を発表しました。この四半期の売上高は前年同期比17%増の619億ドル、営業利益は前年同期比23%増の276億ドル、純利益は前年同期比20%増の219億ドル、希薄化後1株当たり利益(EPS)は前年同期比20%増の2.94ドルとなりました。Microsoftの収益は①Productivity and Business Processes、②Intelligent Cloud、③More Personal Computingの3つのセグメントに分かれています。

①はビジネス向けの生産性向上ツールを提供するセグメントで、Office 365やLinkedIn、Dynamicsが含まれます。この四半期は売上が196億ドル(+12%)に達し、Office 365の商用収益が15%増加するなど、安定した成長を見せました。②はクラウド基盤とエンタープライズ向けのクラウドサービスを提供するセグメントで、Azureが主力です。売上は267億ドル(+21%)で、Azureを中心にクラウドサービスの需要が拡大し、収益を押し上げました。③は個人向けのWindows、Surface、Xboxなどの製品を提供するセグメントで、消費者向けコンピューティングを支えています。売上は156億ドル(+17%)で、Windows OEMやXboxの収益が好調に推移しましたが、デバイス収益は17%減少しました。

Microsoft CopilotとCopilotスタックによる新たなAI変革が、あらゆる役職と業界においてビジネス成果を高めている。記録的な第3四半期であり、Microsoft Cloudの力強い成長によって351億ドルの収益を達成し、前年同期比23%増となりました。

Microsoft Copilotとそのエコシステム(Copilot stack)は、日常の生産性向上、ビジネスプロセス、開発者向けサービスからモデル、データ、インフラに至るまで広がり、新しいAI変革の時代を切り開いています。これにより、すべての役職や業界においてより良いビジネス成果がもたらされています。

生成AIが経済全体に浸透するには時間がかかるでしょうが、Copilotによって証明されているように、これまでに見たことがないほどの速い普及速度と採用率で進んでいます。これまで販売してきたどのスイートよりも早く普及していますが、そのためにはワークフローやプロセスの変革が必要です。

Microsoft CEO SATYA NADELLA
Microsoft3Qの財務数値(P/L)
Microsoft 3Qの財務数値(P/L:million)
Microsoft3Qの財務数値(セグメント別)
Microsoft 3Qの財務数値(セグメント別:million)

出所:Earnings Release FY24 Q3

「Google、Microsoftの24/3Q決算」について一言

Googleですが、23/3Qと比較して売上で15%増というのはえげつないです。セグメント別に見ると軒並み10%超えの成長率を記録しています。ウェブ広告についてはAI Overviewはマイナス要因ですがまだ出始めのサービスで織り込まれていないとは思いますので、純粋なウェブマーケティング市場の拡大に後押しされているものと思われます。Google Cloudが35%と爆裂な伸びを記録しているわけですが、CEOのコメントにもあるように、生成AIを活用していく上で、Googleのエコシステム(Google Cloud Platform)を前提とするユーザーによる受注が増えているのではないかと思います。

Microsoftについては23/3Qと比較して売上で10%程度増という感じです。こちらも①Productivity and Business ProcessesではOffice365のCopilot、②Intelligent CloudではAzure OpenAIの影響もありかなりの成長を記録しています。Copilotについては24/1頃にリリースされ、当時は使い物ならず、現在に至ってもTeamsの議事録作成くらいしか満足できるクオリティの出るツールはないように感じましが、5,000円/ユーザーという強気の価格設定でも市場が受け入れるという事象はプライシングにおいて示唆を感じます。

AI市場を牽引する2社を見てきましたが、成長率は当然ながら、これだけAI向けに大型の投資をしているにも関わらず、しっかりと利益を確保しながら経営できているところがまさにテックジャイアントという感じです。大資本の今後の動きを影響についても引き続きフォローしていきたいと思います。

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執筆者

慶應義塾大学卒業後、総合化学メーカーを経てデロイトトーマツコンサルティングに在籍。新規事業立ち上げ、M&A、経営管理、業務改善などのプロジェクトに関与。マーケティング企業を経て、株式会社ProFabを設立。ProFabでは経営コンサルティングと生成導入支援事業を運営。

TechTechでは、技術、ビジネス、サービス、規制に関する最新ニュースと、各種ツールの実務的な活用方法について、初心者でも理解できる明瞭な発信を心掛ける。日本ディープラーニング協会の実施するG検定資格を保有。

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