The Android Show:I/O Edition 2025 リリース速報 — Android 16 / Wear OS 6 / Google Gemini

Android Show

Google I/O 2025の基調セッション「The Android Show:I/O Edition」では、Android 16によるUI刷新、Wear OS 6のディスプレイ最適化と省電力化、さらにAIアシスタントGoogle GeminiのOS統合が一挙に発表されました。Android 16では「Material 3 Expressive」によりテーマカラーやアニメーションを個人の好みに合わせて調整可能とし、通知シェードのライブアップデートやホーム画面の自動配置で操作性を飛躍的に向上させています。Wear OS 6では円形UIのリストアニメーションと形状適応コンポーネントを導入しつつ、内部最適化により最大10%のバッテリー改善を実現しました。Geminiはサイドボタン長押しで起動でき、画面共有・カメラ共有機能「Gemini Live」でリアルタイム解析とアドバイスを提供し、今後は車載やテレビ、XRデバイスにも展開予定です。

目次

Android 16 の大規模デザイン刷新:Material 3 Expressive

デザイン

Android 16では、新デザイン言語「Material 3 Expressive」を導入し、システム全体のビジュアル体験を一新しました。壁紙やアイコンから抽出されたテーマカラーがワンタップで適用されるため、通知シェードやクイック設定パネル、システムアプリの配色が統一されます。フォントの太さやスタイルも自由に切り替えられるため、情報の重要度に応じた視覚的強調が可能となりました。

また、モーションフィジックスの刷新によって、操作時のリアルな動きと触覚フィードバックが強化されています。通知をスワイプで消去するときの慣性や、アプリアイコンをドラッグした際の弾み具合など、物理シミュレーションに基づくアニメーションが滑らかに再現され、直感的で心地よい操作感を実現しました。

通知シェードには「ライブアップデート」機能を新設し、配車アプリの到着予測やデリバリーの配達状況などをリアルタイムで表示できるようになりました。アプリを都度開かずとも最新情報を把握できるため、外出や待ち合わせの際に便利です。ホーム画面にはAIアルゴリズムによる自動配置機能が導入され、ユーザーの使用頻度や動線に基づいてウィジェットやアイコンが最適配置されます。これにより、利便性と美しさを両立させた洗練されたレイアウトが実現しました。

これらの改良により、Android 16はデザインの美しさと日常操作の快適さを兼ね備えたプラットフォームへと進化しています。

Wear OS 6 の進化:円形UIと省電力最適化

wear6

Wear OS 6では、円形ディスプレイに最適化された新UIを採用し、スクロールに合わせてリスト項目が画面中央に浮かび上がる立体的なアニメーションを実現しました。このアニメーションにより、重要な情報へ視線が自然に誘導され、必要な機能へ素早くアクセスできます。

さらに、ボタンやピンパッド、メディアコントロールなどのUIコンポーネントは円形ディスプレイの輪郭に合わせて変形し、表示領域を余すところなく活用しています。

加えて、プラットフォームレベルでの処理最適化により、これまでアニメーションとバッテリー消費のトレードオフだった課題を解消し、最大10%の省電力化を実現しました。長時間のアクティビティや睡眠トラッキングでも安心して利用できるバッテリー持続時間が確保されています。

ソフトハプティクスによる微細な振動パターンは、手首に優しくフィードバックし、通知受信や操作時の反応をより自然に感じられるようになりました。これらのアップデートにより、Wear OS 6は美しさと実用性を高い次元で両立させています。

Google Gemini のOS統合:全デバイスで使えるパーソナルAI

Google Geminiは、Android端末のサイドボタンを長押しするだけで起動できるようになり、OSのコア機能として統合されました。これにより、アプリ起動や検索の手間を省き、瞬時にAIアシスタントのサポートを受けられます。

「Gemini Live」機能では、画面共有による長文ドキュメントの要点抽出や、カメラ共有によるリアルタイム解析が可能です。ライブデモでは、長い会議用コールシートから昼食時間だけを抽出したり、メイク道具を認識してアドバイスを行ったりする様子が披露されました。

adroid gemini
Android上の各種アプリ、ファイルとGeminiが統合

さらに、今後数ヶ月で車載向けAndroid Auto / Google Built‑in、スマートテレビ、AR/VRデバイス向けAndroid XRなどに展開予定です。ランニングや料理中、ドライブ、リビング、没入型デバイスまで、どのシーンでも一貫したAI体験が提供されます。プライバシー面でも、共有設定はユーザーが制御し、処理は端末内で完結する設計となっています。

gemini auto

これらにより、Google Geminiは単なる音声アシスタントを超え、あらゆる場面で寄り添うパーソナルAIとしてAndroidプラットフォームを強力に支援します。

「The Android Show」について一言

AppleはモバイルOSに「Apple Intelligence」をiOSに統合し、特にApple Watchを含むウェアラブルデバイス市場で圧倒的なシェアを誇ります。そのため、Android陣営がMaterial 3 Expressiveでデザインシステムを再構築したことは、これまで一歩リードされがちだったUI/UX領域で大きな追い風になるでしょう。元来デザイン面ではAppleが優勢なイメージがありましたが、カスタマイズ可能なテーマや自然なモーションフィジックスを取り入れることで、Androidはデザイン競争力を大幅に高めています。

また、将来的にはユーザーの行動や好みをAIが学習して自律的にUIを最適化する“自律的パーソナライズUI”の時代が訪れると予想され、この分野での先行を視野に入れた戦略とも言えます。これからもAppleとAndroidの競争は激化し、ユーザー体験の革新がさらに進むことでしょう。

出所:The Android Show: I/O Edition

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執筆者

慶應義塾大学卒業後、総合化学メーカーを経てデロイトトーマツコンサルティングに在籍。新規事業立ち上げ、M&A、経営管理、業務改善などのプロジェクトに関与。マーケティング企業を経て、株式会社ProFabを設立。ProFabでは経営コンサルティングと生成導入支援事業を運営。

TechTechでは、技術、ビジネス、サービス、規制に関する最新ニュースと、各種ツールの実務的な活用方法について、初心者でも理解できる明瞭な発信を心掛ける。日本ディープラーニング協会の実施するG検定資格を保有。

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