GMOインターネットグループは、生成AIを積極的に活用し、一人当たりの削減時間が27.2時間/月、2024年の合計業務削減時間が100万時間を突破したと発表しました。この実績は、業務効率化プロジェクトの一環として導入されたAIツールが、持続的な生産性向上に寄与していることを示しています。既存の生成AIツールによる効果が示されていると同時に、生成AIの限界についてのコメントも紹介されています。
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GMO効率化実績の概要
GMOインターネットグループは、生成AIを活用した業務効率化により、2024年の合計業務削減時間が推定100万時間を突破しました。この成果は、9月に実施した「生成AI活用」実態調査に基づいています。調査は2024年9月9日から13日まで、国内の従業員(正社員、契約社員、アルバイトなど)6,312名を対象に行われ、そのうち4,962名から有効回答を得ました。調査結果によると、生成AIの活用によって、従業員一人あたり月平均27.2時間の業務削減が実現し、全体では年間107万時間の削減に達しました。
GMO効率化実績の詳細
生成AIの活用率は、調査対象の従業員全体の86.8%に達しており、前回の調査から2.9ポイント上昇しました。特に、複数のAIモデルを使い分けている従業員の割合は54.2%に上り、AIツールの利便性を最大限に活用しようとする動きが見られます。また、AIを日常業務に取り入れることで、反復的な作業の自動化や分析作業の効率化が進み、多くの従業員が「業務負担が軽減した」と感じています。
生成AIの導入により、業務削減時間は調査ごとに増加しています。特に2024年9月時点では、月間約13万9,000時間の業務削減を実現し、これが年間で107万時間という大きな成果につながりました。従業員一人あたりの削減時間も徐々に増加しており、AIツールを使いこなすことで、個々の業務効率が向上していることが伺えます。
生成AIの活用において、GPT-4の利用が依然として中心である一方で、従業員の間ではClaudeやGemini、Perplexityといった特定の目的に特化したサービスも広く利用されています。これにより、業務内容に応じて最適なAIツールを柔軟に選ぶ動きが強まっていることが確認されました。
一部の従業員からは、AIの活用において「まだ自分でやった方が良い」と感じる業務も存在すると指摘されています。例えば、AIによるコーディングは冗長なコードが生成されることが多く、共同開発では保守性が担保できないという課題が挙げられました。また、人事の採用面接など、人間の洞察力が必要な業務については、まだAIには代替できないという声も聞かれています。
「GMOの生成AI活用実績」について一言
グラフから分かる通りGMOでは生成AIによる業務効率化効果を3ヶ月ごとにモニタリングしており、都度外部にプレスリリースしています。GMOは生成AI活用に積極的な企業なので状況を知ることができて有益ですし、社員の方々にとっても実績が外部から見られる環境はとても効果的な気がします。
際立った成果を示しているGMOですが、ここ数回の調査では一人当たりの削減時間は20時間後半/月となっており、現状の技術活用の範囲だとこの辺りが天井であることを示唆しているようです(GMOがIT企業であることを踏まえると、全産業的にはそう理解しても差し支えないと思います)。コメントを見ていくと、人間の直感や社内情報との連携においては、AIはまだ苦手であると評価されていますので、AIと情報のインテグレーションの加速が今後のAI活用の鍵であることを示唆しているようです。
出所:GMOインターネットグループ、生成AI活用により2024年の合計業務削減時間100万時間を突破!(PR TIMES)