日本企業における生成AIの導入が急速に進んでいます。AIsmileyが実施した最新の調査によれば、東証プライム市場に上場している企業のうち、14.9%が生成AIを活用し、そのうち55%が社内向けの生成AI活用環境構築に注力しているとのことです。
生成AIの利用動向
AIsmileyが東証プライム市場に上場する企業1,640社を対象に実施した「生成AI導入実態調査」によると、2024年現在、245社が生成AIを導入していることが確認されました。これは全体の約14.9%に相当し、前年の約10%から大幅な増加を見せています。特に、2024年に新たに生成AIを導入した企業は103社であり、生成AIの活用が着実に広がっていることが伺えます。
生成AIの活用用途は、従来の顧客対応や問い合わせ業務に限らず、より広範な業務に適用されています。特に、2024年の調査では、生成AIを社内専用にカスタマイズし、セキュアな環境下で利用する企業が55%に上ることが明らかになりました。これにより、社内の機密情報を守りながら、生成AIを業務に役立てることが可能となり、効率化とセキュリティの両立が実現されています。
「東証プライム企業生成AI導入実態調査」はこちらのAIsmileyのページからダウンロードすることができます。
「生成AIの利用動向」について一言
企業単位での利用率は15%程度とのことですが、東証プライムでこの割合というのはやや少ない印象です。個別の取り組みとしてではなく、DX部門を主管とした全社的な取り組み、ということなのでしょうか。その辺りについては、本編をダウンロードしてご確認いただければと思います。
利用用途で最も割合の多い「社内用生成AI導入」という言葉の意味は、ChatGPTやExabaseといった汎用的な対話型ツールをセキュアな環境も意識しながら導入する取り組み、かと思います。”用途”というより”生成AI導入に関する主たる活動”とすると理解しやすい気がします。
2023年はChatGPTをはじめとして、生成AIという新たな技術に触れた年でした。生成AIは入力した情報がモデルプロバイダー側に蓄積されるという特徴もあり、2024年は企業としての適切なツール選びと環境構築にリソースを使っている企業が多い印象です。そういった前提もあり、代表的なChatGPTよりも性能は劣りつつもデータが国内で完結するツールも増えており、企業側はそうしたツール活用を模索する1年となったのかと理解しております。
出所:東証プライム上場企業生成AI導入実態調査を実施!導入企業の55.3%が社内用生成AI環境を構築。組織全体での生成AI活用が進む