Google、AI Overviewを日本を含む6か国に展開:新機能も続々追加

AI Overview

2024年8月15日、Googleは検索機能におけるAI Overviewの大幅なアップデートを発表しました。このアップデートにより、AI Overviewは日本を含む6か国(イギリス、インド、インドネシア、メキシコ、ブラジル)で正式に展開され、さらに多様な機能が追加されました。

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AI Overviewの機能アップデート

これまではSearch Labsで試験的に提供されてきたAI検索機能「AI Overview」が日本を含む6か国(イギリス、インド、インドネシア、メキシコ、ブラジル)で正式に展開されることになりました。

AI Overviewでは抽象的な質問は参照を提示しつつも自然言語で回答を取得することができますが、今回の正式展開に際して新たな機能も追加される。特に、関連ウェブページへのリンク表示が大幅に改善されました。デスクトップ版では、AI Overviewの右側にリンクが表示され、ユーザーは関連するウェブページに直接アクセスできるようになりました。また、モバイル版でも同様に、ウェブサイトのアイコンをタップすることでリンクにアクセスできます。

さらに、AI Overviewのテキスト内に直接リンクを追加する新機能も導入されています。これにより、ユーザーは興味を持った内容について、参照元のメディアを訪問することでさらに深く掘り下げることが容易になります。テスト段階では、リンクを増やすことでメディアサイトへのトラフィックが増加するという良好な結果が得られました。

AI Overviewの新機能①
AI Overviewの新機能①リンクのデザイン変更および文中へのリンク挿入

また、Googleは、Search Labsを通じてAI Overviewに関する新しい実験的機能も導入しています。その一つが、AI Overviewを保存できる機能です。この機能を活用することで、ユーザーは過去に見つけた有用な情報を簡単に再アクセスすることが可能になり、効率的な検索体験を得ることができます(この機能は依然として「Search Labs」内の実験的な機能に留まっています)。

AI Overviewの新機能②
AI Overviewの新機能②保存ボタンの追加(Search Labsのみ)

「AI Overviewのアップデート」について一言

AI OverviewはすでにSearch Labsを通じての提供に留まっていました。しかしSearch Labsは誰でも申請可能であり、AI Overviewを見たことのある方は意外に少なくないかもしれません。これまでは検索結果としてWebページが表示されましたが、これからは自然言語による回答と参照元のWebページが表示されるということですね。

ユーザーサイドではそもそもサイトを見たいのではなく質問に対する回答が欲しかったはずなので検索体験の品質が向上することになりますね。一方で、メディアを運用するビジネスサイドに立つと、今回の変更は一大事です。これまでは検索結果の上位に表示されることでユーザーからのサイト閲覧を獲得していましたが、今回のAI Overviewで参照されるサイトがどのような基準で選ばれているのかまだ詳しくはわかりません。ビジネスサイドとしてはこの辺りのアルゴリズムは早急にキャッチアップが必要となるでしょう。

出所:New ways to connect to the web with AI Overviews

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執筆者

慶應義塾大学卒業後、総合化学メーカーを経てデロイトトーマツコンサルティングに在籍。新規事業立ち上げ、M&A、経営管理、業務改善などのプロジェクトに関与。マーケティング企業を経て、株式会社ProFabを設立。ProFabでは経営コンサルティングと生成導入支援事業を運営。

TechTechでは、技術、ビジネス、サービス、規制に関する最新ニュースと、各種ツールの実務的な活用方法について、初心者でも理解できる明瞭な発信を心掛ける。日本ディープラーニング協会の実施するG検定資格を保有。

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