Rakuten Link AIリリース:モバイルポータル領域における生成AIマーケットの行方は

Rakuten Link AI update

楽天モバイルの契約者限定アプリであるRakuten Linkが大きなアップデートを実施しました。AI機能「Rakuten Link AI」を搭載し、悩み事や仕事のアイデアに関するチャットに加え、月額料金の問い合わせができる機能の提供を開始しました。

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目次

Rakuten Link AIとは

Rakuten Linkは、楽天モバイルの契約者限定で利用できるアプリです。このアプリは、通話やメッセージ交換などの基本的な機能に加え、月額料金の確認やデータ利用量の管理など、便利なサービスを提供しています。新たに搭載された「Rakuten Link AI」は、悩みごとや仕事のアイデア、旅行に関する質問など、日常の活動をサポートするAIチャットサービスです。この機能により、楽天モバイルのサービスをより手近に、しかも無料で利用できるようになりました。

また、アプリの中で「楽天月額料金」や「データ利用量」を簡単に確認できる機能が追加されました。これにより、利用者はさらに便利なコミュニケーション・管理環境を構築できるようになっています。アップデートはAndroid版から順次提供が始まり、iOS版も今後提供予定となっています。

Rakuten Link AIの使い方
Rakuten Link AIの使い方

「Rakuten Link AI」について一言

生成AIの社会実装という観点で、ユーザーとの接点作りが重要であることはいうまでもありません。モバイル端末は誰でも日々触れ合う接点です。モバイル端末経由でのAIタッチポイントは、ハードウェアサイド(例:AppleのAI機能)、ソフトウェアサイド(今回のRakuten Link AI)が大きな方向性になります。どちらか一方という問題設定ではありませんが、ソフトウェアはハードウェア仕様の影響を受けるため、安定性と信頼性ではハードウェアサイドの機能のほうが重宝される気がします。

また、ソフトウェアサイドでは、ChatGPTのような生成AI開発型、今回のRakuten Link AIのような生成AI活用型のアプリケーションがあります。性能としては当然ながら前者に軍配が上がることから、本文でご紹介したように月額使用料の提示など独自データと連携した付加価値の幅が後者の優位性の原点となるでしょう。いずれにしても、Rakuten Link AIの現時点の機能はほぼ独自性がないため、今後のアップデートの様子を見る必要があります。

楽天モバイルのオペレーション観点では、問い合わせ対応を人間ではなく、Rakuten Link AIが代替してくれるようになれば、カスタマーサービスの業務負荷低減というメリットはありますね。私が確認する限り、ソフトバンクでも同様の取り組みは始まっていませんし、モバイルポータルの生成AI活用についてはこれからといった様子です。

出所:楽天モバイル、ご契約者様向けアプリ「Rakuten Link」にAI機能「Rakuten Link AI」を搭載するなど、機能を拡充してリニューアル

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執筆者

慶應義塾大学卒業後、総合化学メーカーを経てデロイトトーマツコンサルティングに在籍。新規事業立ち上げ、M&A、経営管理、業務改善などのプロジェクトに関与。マーケティング企業を経て、株式会社ProFabを設立。ProFabでは経営コンサルティングと生成導入支援事業を運営。

TechTechでは、技術、ビジネス、サービス、規制に関する最新ニュースと、各種ツールの実務的な活用方法について、初心者でも理解できる明瞭な発信を心掛ける。日本ディープラーニング協会の実施するG検定資格を保有。

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