Microsoftは2024年11月18日、アジア太平洋地域におけるAI研究とイノベーションを推進するため、東京に新たな研究拠点「Microsoft Research Asia-Tokyo(マイクロソフトリサーチアジア東京)」を設立したことを発表しました。本拠点設立の目的には、最先端のAI研究を通じて、地域社会と産業界に貢献することに加え、次世代のイノベーター育成も含まれています。
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Microsoft Research Asiaの概要
マイクロソフトリサーチアジア(MSR Asia)は、2005年に始まった日本との協力をさらに深化させるため、東京に新たな研究拠点を設立しました。新拠点である「Microsoft Research Asia-Tokyo」は、Embodied AIやSocietal AI、ウェルビーイング&ニューロサイエンス、インダストリーイノベーションといった重要分野に注力し、先端技術の進展を通じて社会に貢献することを目指します。結果として、日本社会の経済的・社会的優先事項に即した課題解決を図ることが期待されています。
東京ラボは、研究者が技術の限界を押し広げるための革新的な環境を提供します。また、地域のイノベーションエコシステムに積極的に貢献し、学術界や産業界との協力を通じて、世界規模の技術革新に寄与することを目指します。
東京ラボの責任者である松下康之博士は、「東京は技術革新と協力の中心地であり、私たちのラボは日本の豊かな才能を活かして革新的な解決方法を追求します」と述べ、地域的および世界的に意味のある貢献を目指す意欲を表明しています。
Microsoft Research Asiaの狙い
東京ラボでは「Embodied AI」や「Societal AI」など、社会に直接影響を及ぼす分野に重点を置き、日本の社会課題や産業ニーズに応じたイノベーションの促進を図ります。
Embodied AI: 複雑なタスクをこなし、物理的および仮想的な環境での理解や対話ができるインテリジェントシステムの開発。
Societal AI: AI が社会に及ぼす影響を探求し、技術が人類の利益に役立つようにする。
ウェルビーイング&ニューロサイエンス: ニューロサイエンスからのインスピレーションを得て、人間とAIのインターフェースを再構築し、AI をウェルビーイング向上のために活用する。
インダストリーイノベーション: 学際的かつ境界を超えた研究を通じて、現実のニーズを理解し、産業パートナーと協力してイノベーションを促進。マイクロソフトコーポレーションの最高技術責任者ケビン・スコット氏は、「東京に拠点を設けることで、AI分野におけるイノベーションの推進を一層強化し、日本の伝統と技術文化を融合させて革新を生み出す」とコメントしました。
さらに、MSR Asiaは次世代のイノベーター育成にも注力しています。東京ラボでは共同研究プロジェクト、インターンシップ、招聘研究員プログラムなどの人材育成プログラムを実施し、次世代のプロフェッショナルに実践的な経験を提供することで、地域と世界に貢献することを目指しています。
MSR Asiaについて一言
2024年4月、Microsoftは生成AIの需要増加に対応するため、日本事業に約4400億円を投資する方針を発表していました。生成AIに不可欠なデータセンターの増強やAI研究拠点の新設を通じて、日本におけるAIインフラと人材育成を強化することが織り込まれており、Microsoft Research Asiaは、この戦略の一環と考えられます。
日本に注目する理由としては、ITインフラの充実、社会課題先進国であること、需要の増加、AI法整備の未整備などが挙げられます。一方で、そもそも言語モデルを技術基盤とする生成AIの時代においては、サービスの磨き込みに際して、国ごと(≒言語ごと)のタッチポイントが重要であると考えられます。とすると、Microsoft Research Asiaは日本上陸、というよりもアジア拠点拡充の流れの中の一つ、と考えることもできそうです。
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