InstagramやFacebookを運営するMetaがAI搭載検索エンジンの開発に乗り出していると報じられました。この動きは、GoogleやMicrosoft Bingに依存しない独自のプラットフォームを構築しようとするMetaの戦略の一環であり、検索市場に大きな影響を与える可能性があります。
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MetaのAI搭載検索エンジン開発の動き
InstagramやFacebookなどのソーシャルメディアを運営するMetaが、独自のAI搭載検索エンジンを開発中であると技術系メディアThe Informationが報じました。MetaのAI搭載検索エンジンは、ユーザーの検索クエリに対してAIが生成した回答の要約を提供することを目指しており、これによりユーザーに対する情報提供の質を向上させる計画です。
Metaは2024年2月頃から、AI検索エンジンの基盤となる情報データベースの構築に取り組んでおり、この取り組みは約8カ月にわたり続けられています。これにより、GoogleやMicrosoft Bingへの依存を減らし、自社のAIによる検索回答を実現することを目指しています。また、万が一GoogleやMicrosoftがAI検索エンジンから撤退した場合にも備える「バックアップオプション」としても位置づけられているとのことです。
MetaはAIの積極的な活用を推し進めており、これまでもオープンソースの大規模言語モデルLlama 3のリリースや、広告用の画像生成AIツールの導入など、多方面でAIの活用を進めてきました。さらに、MetaのCEOであるマーク・ザッカーバーグ氏は、汎用人工知能(AGI)の開発と責任を持ってのオープンソース化を長期的なビジョンとして掲げており、次世代デバイスとしてAIと常に対話できるスマートグラスの開発も重要視しています。
一方で、MetaのAI開発には著作権に関連するリスクも指摘されています。例えば、著作権で保護された作品を含むデータセットの使用や、ウェブをクロールして収集されたデータの正当性に対する懸念が取り上げられており、Metaがこれらのリスクにどう対処していくかが注目されています。
「MetaのAI搭載検索エンジン」について一言
AI搭載検索エンジンはAI市場の中心であり、日々リリースやアップデートの情報が絶えませんが、Metaも参入予定であるならば、支配的な地位を占めるGoogleとMicrosoft Bing、PerplexityなどのAI検索エンジンの存在もあり、より競争は激化するでしょう。
Metaの強みは、既存のプラットフォームであるInstagramやFacebookといったソーシャルメディアとの連携です。この連携により、ユーザーが求める情報を、ソーシャルメディア内のコンテンツと組み合わせて提供できるため、ウェブサイトなどの編集された情報のみならず、ソーシャルメディアの未編集情報も含めた検索が可能となります。
オープンソースの大規模言語モデルLlama、Instagramのエージェント開発など、AI領域でも活発に動くMetaには引き続き注目する必要がありそうです。