xAIが提供するAIツール「Grok」に、コード実行機能やGoogle Drive連携などの新機能を追加した「Grok Studio」が登場しました。文章やコードをAIとリアルタイムに共同編集できるようになり、Google Driveとの連携による業務効率化も期待されます。しかし、実際の使用感では、既存のAIサービスと比較して特に新しい要素や品質の向上を感じにくい面もあります。
Grok Studioとは
Grok Studioは、これまでチャットインターフェースを中心に提供されてきたAIツール「Grok」を拡張する新しい環境です。文書、コード、レポート、さらにはブラウザゲームの生成まで可能になり、生成されたコンテンツを独立したウィンドウでユーザーとAIが共同編集することができます。
今回のアップデートにより、PythonやC++、JavaScript、TypeScript、Bashなどの主要言語をサポートし、生成されたコードをすぐに実行可能なプレビュー機能も提供されました。これにより、ユーザーはコードを書きながら即座に挙動を確認・修正できるようになり、開発や学習効率が大きく向上します。


さらに注目されるのがGoogle Driveとの連携機能です。ドキュメントやスプレッドシート、スライドをGrok Studioに直接添付して活用でき、業務の効率化が大幅に向上します。ただし、コードファイルについては閲覧や実行は可能なものの、現状の編集機能は限定的です。
公式では最大100万トークンのコンテキストウィンドウをアピールしていますが、実際には約12.8万トークン前後が限界であるとのユーザー報告もあり、現実的な使用範囲については検証が必要です。また、OneDrive連携は未対応であり、今後の対応が待たれます。
「Grok Studio」について一言
Grok StudioはChatGPTのCanvas機能のようなものです。ただ、ChatGPTのCanvas、GeminiのCanvas、ClaudeのArtifactなど、すでに文書やコードの別画面表示やプレビュー機能を実装しているAIツールは複数存在しており、それらと比べて目新しい要素や品質の改善は限定的です。
またGoogle Driveとの連携も、静的に対象を選ぶクラシカルな手法であり、特別な新規性は感じませんでした。法人フォルダ内のクローズドなファイルについては、Googleを通じたアクセス許可をしたにもかかわらずエラーが生じるため、パーミッション設定での工夫が必要となりそうです。
出所:Grok Studio
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