Zoomは、Zoomtopia 2024にて新しいZoom AI Companion 2.0を発表しました。ZoomはZoom Workplaceと改名し、ビデオ会議ツールから総合的なオフィスツールへと進化を目指しています。AI Companionは会議の要約に留まらず、ウェブ検索、コンテンツ作成、タスク管理といった機能を含み、Zoom Workplace全体でユーザーのタスクをサポートします。
【無料配布中】「企業版AIの導入アプローチ」
ChatGPT、Copilot、ExabaseといったAI関連ツールが多くサービス提供される中で、企業におけるAI導入アプローチを俯瞰的に整理しています。どのようなタイプのツールがあり、結局何を使ったら良いのか、シンプルかつ感覚的に、かつ短時間で理解されたい方におすすめです。
Zoom AI Companion 2.0の概要
2024年10月9日、ZoomはZoomtopia 2024にて、Zoom AI Companion 2.0を発表しました。この新しいAIツールは、ユーザーがZoom Workplaceを通じて日々の業務を効率的に管理できるように支援します。Zoom AI Companionは、会議の要約、タスクの検出、提案、そして完了をサポートするだけでなく、Zoom Workplace内の情報フローを最適化することで、チーム全体の生産性を高めます。
Eric S. Yuan氏(Zoom創設者兼CEO)は、「AI Companionは、単なる生産性向上ツールではなく、デジタル時代における仕事のあり方そのものを再定義するものである」と述べ、今回のリリースにより、ユーザーがより多くの成果を上げられることを強調しています。
ZoomにはZoomtopia 2022で発表されたメールやカレンダー機能に加えて、新たに「Zoom Tasks」が追加されています。これは、ZoomがMicrosoft 365やGoogle Workspaceのようなオフィスツールへと機能を拡張していることを示唆しており、今回のAI Companionもこれらの機能を横断したAIツールとなっています。
Zoom AI Companion 2.0の機能
Zoom AI Companion 2.0には、ユーザーが業務を効率的に進めるための多くの新機能が搭載されています。特に、以下の4つの機能が注目されています。
会議内容の要約:AI Companionは、ミーティングで聞き逃した内容をすばやく把握するためのサポートを提供します。ユーザーは、ミーティング中に聞き逃した内容をAI Companionに確認し、関連する詳細情報を取得することができます。
ウェブ検索:追加の関連情報をウェブ検索で依頼し、サイドパネルで簡単に表示・確認することが可能です。これにより、ユーザーは目の前のディスカッションに集中しながら、適切な発言を行うために必要な情報を迅速に入手できます。
コンテンツ作成:ユーザーはAI Companionにファイルを直接アップロードし、他のソースからの情報を取り込むことができます。これにより、次回のミーティングやプレゼンテーション、面接に必要な資料の最初の下書きを迅速に作成することが可能です。AI Companionがさまざまな情報を統合し、ユーザーのコンテンツ作成をサポートします。
タスク管理:AI Companionは、未読のメッセージやチームチャットの要約を提供し、重要な内容を見逃さないように支援します。未読メッセージやメールの全体を要約し、回答待ちの質問が残っているかどうかも確認可能です。これにより、ユーザーはすべてのメッセージ履歴をスクロールして確認する手間を省き、必要な情報をすばやく把握できます。
「Zoom AI Companion 2.0」について一言
ZoomのAI活用はかなり出遅れていた印象ですが、ようやく内容要約が発表されました。Zoom Workplaceとした脱ビデオ会議ツールを狙っており、ビデオ会議以外の機能拡張にリソースを割きすぎたのかもしれません。
ビデオ会議の要約ツールとしてはtl;dvが局地戦に勝利し、かなりシェアを広めていることに加え、Teamsの要約機能も先日リリースされました。いずれもある程度の精度は出ているものの、会議内容の正確さや自然な文章生成の面で改善の余地があることに加え、まだAI自動要約が一般的になっているわけでもないので、客離れ回避・巻き返しはまだ可能な気がします。
出所:Zoomtopia 2024: Unveiling AI-first work platform innovations