株式会社Preferred Networks(PFN)は、国産大規模言語モデルPLaMo(プラモ)のフラッグシップモデル「PLaMo Prime」を発表しました。PLaMo Primeは、日本語に特化した性能と先進的な機能を兼ね備え、クラウド型API製品「PLaMo API」およびアシスタントチャット「PLaMo Chat」の提供を開始します。
PLaMo Primeの特徴
PLaMo Primeは、これまで提供されてきたPLaMo β版トライアルのフィードバックをもとに開発された、日本語対応に特化したフラッグシップモデルです。PLaMo Primeは、高品質な日本語データセットを用いた追加学習により、文章生成、要約、翻訳、テキスト分析など、幅広い自然言語タスクで世界トップクラスの性能を実現しつつ、高性能な日本語タスクにも対応します。
PLaMo β版の4倍となる約16,000トークンの長文に対応可能で(日本語で10,000文字程度)システムログの分析や長文の要約といった複雑なタスクにも適しています。高品質な日本語・英語データセットを追加学習させたことで、長文翻訳の精度が飛躍的に向上しました。
また、外部データベースから関連情報を参照して文章を生成するRAG技術がさらに向上、より正確で多様な長文処理が可能です。PLaMoは、外部システムとのスムーズな連携が可能。自然言語での指示を解釈し、必要なAPIを自動で呼び出すことができます。
PLaMo Primeの使い方
PLaMo Primeの利用は、「PLaMo API」と「PLaMo Chat」という2つの形で提供されます。
PLaMo APIは、Web APIを通じてPLaMoをシステムやアプリケーションに容易に統合可能です。OpenAI API互換のインターフェースを採用しており、openai-pythonやLangChainといったライブラリを利用することで、既存コードを再利用することができます。利用料金は入力:300円/100万トークン、出力:1,000円/100万トークンです。
PLaMo Chatは、対話型AIアシスタントとして幅広いタスクをこなします。質問応答、創造的な文章作成、プログラミング支援など多岐にわたり、教育やカスタマーサポート、コンテンツ制作の分野で活用が期待されています。リリースキャンペーン期間中、PLaMo Chatを無料で体験することができます。
PLaMo APIおよびPLaMo Chatは、公式サイトから申し込みが必要です。
PLaMo Primeについて一言
国産LLMに関する話題です。今回はAPIとチャット画面(こちらは無料)で試せるので使ってみました。こちらの例のような推論や数学の証明(3平方の定理)を試してみましたが、非常に丁寧な文章構成で回答を返してくれました。ただし、回答が非常にスローで、ChatGPTやGeminiといったグローバルモデルと比較すると性能面ではかなり劣る印象でした。
Preferred Networkは金融や製造業などにかなり入り込んだ開発案件を手掛けている印象があるので、日本語かつ産業などの軸でかなり特化した分野向けの環境として使うのであればアリかと思いました。
出所:国産大規模言語モデルPLaMoのフラッグシップモデルPLaMo Primeを新開発