Perplexity Assistant:Android向けの次世代AIアシスタントがリリース

perplexity assistant

AI検索エンジンを開発するPerplexityは、Android向けの次世代AIアシスタント「Perplexity Assistant」を発表しました。マルチモーダル機能により音声ベースのやり取りが可能なAI検索ツールです。またマルチアプリアクション機能によりPerplexity以外の複数のアプリを横断した操作(レストラン予約、メール作成など)も実装されており、日常の多様なタスクを最適化してサポートするためのアシスタントとなっています。

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Perplexity Assistantの概要

Perplexity Assistantには、さまざまな先進的な機能が搭載されています。まず、「マルチモーダル機能」を挙げることができます。この機能により、テキスト、音声、画像を理解するだけでなく、カメラを使って周囲の物体を識別することが可能です。たとえば、目の前にある物体にカメラを向けるだけで、その情報を検索したり解説したりすることができます。

次に、「リアルタイム検索」機能も注目すべき点です。この機能は、最新のウェブ情報を利用して、ユーザーの意図を汲み取ったカスタマイズされた回答を提供します。たとえば、公共のイベントの日時を検索し、自動でリマインダーに記録するといった操作も可能です。

さらに、「マルチアプリアクション」機能を使えば、複数のアプリを横断して操作が可能です。たとえば、レストランを検索した後、その場で予約を確認したり、リマインダーを設定したりするシームレスな操作ができます。SpotifyやYouTube、Uber、メールアプリなど、多様なサービスと連携しており、ユーザーの利便性を大きく向上させています。

また、「文脈理解能力」により、会話の流れを維持しながら、複数のタスクを連続して処理することが可能です。たとえば、レストラン検索のための情報を探した後に、自動的にブッキングのステップへ移行することができます。

Perplexity Assistantは、GoogleのGeminiやChatGPTなどの競合製品と異なり、特定のエコシステムに拘束されないのが大きな特徴です。この利便性は、複数のサービスを一つに繋げる力と相まって、日常の作業を大きく最適化しています。Perplexity Assistantは、15言語に対応し、無料で使用可能なのはもちろん、音声やジェスチャー操作にも対応し、電源ボタンの長押しなどで簡単に起動できます。

Perplexity Assistantのユースケース

Perplexity Assistantは、日常の多様なタスクを支援します。例えば、レストランの検索から予約までをシームレスに操作することが可能です。

ユースケース:レストランを予約する。
ユースケース:レストランを予約する。

また、画像認識機能を用いて画像を理解し、カスタマーサポート向けのメッセージをメールアプリでドラフトすることも可能です。

ユースケース:写真情報をもとに、商品のカスタマーサポートへのメッセージを作成する。
ユースケース:写真情報をもとに、商品のカスタマーサポートへのメッセージを作成する。

他にも、忘れた曲名を検索し、再生してくれる機能もあります。目的地を伝えるだけでUberの予約画面を表示することや、公共イベントの日時情報を検索して自動でリマインダーに記録することもできます。

「Perplexity Assistant」について一言

モバイル向けのAIアシスタントが何とPerplexityから発表されました。従来のAI検索だけでなくChatGPTのVoice Engineのようなマルチモダリティに加えて、アプリ横断操作も実装されており、こうしたエージェントに近いものまでPerplexityが開発していることに驚いています(ここまで手を広げるのかという意味で)。昨年末には検索だけでなくECへの参入も発表しており、今回はモバイルのアシスタントということなので、Googleのように、一般消費者向けの接点を的確に押さえているのでしょう。

iOSではなくAndroidから参入した理由としては、Androidのエコシステムがオープンであり、サードパーティーアプリがOSレベルの機能やアクセシビリティサービスなどにアクセスしやすい側面があると推測します。今回の特徴はアプリ横断の操作なので、この点は重要でしょう。何より、AndroidとiOSのシェア比はグローバルで見ると7:3なので市場ポテンシャルの観点でもAndroidの方が旨みがあります(Android、iOSの日本のシェア比は逆ですが)。

現状Android端末にはGoogle Assistantという類似のアシスタントが標準搭載されています。Googleエコシステムの縛りを受けない、いわゆる独立系のアシスタントとして、Perplexityがどのように市場での存在感を高めていくのか、特にその柔軟なアプリ連携機能やユーザー体験の進化がどの程度まで達成されるのかに注目したいと思います。

出所:Introducing Perplexity Assistant(X)

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執筆者

慶應義塾大学卒業後、総合化学メーカーを経てデロイトトーマツコンサルティングに在籍。新規事業立ち上げ、M&A、経営管理、業務改善などのプロジェクトに関与。マーケティング企業を経て、株式会社ProFabを設立。ProFabでは経営コンサルティングと生成導入支援事業を運営。

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