Perplexity AI:広告導入でビジネスモデルを強化へ

Perplexity広告

Perplexity AIは、2024年第4四半期(10-12月)にAI支援の検索結果に広告を表示し始める計画を発表しました。新たな広告モデルを通じて、収益基盤を強化し、パブリッシャーとの関係構築を図り、成長を続けるビジネスモデルをさらに強化しようとしています。

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目次

Perplexity広告の概要

Perplexity AIは、2024年第4四半期にAI支援の検索結果に広告を表示し始める計画を発表しました。同社は、ユーザー数の急増に伴い、広告収益を新たな収益源として確立することを目指しています。

Perplexityが採用する広告モデルは、インプレッション単価(CPM)を基本としたもので、CPMレートは50ドル以上に設定される予定です。CPMとは、「Cost Per Mille」の略で、広告が1000回表示されるごとに広告主が支払う料金が決まるモデルを指します。

これにより、広告主はPerplexityの検索画面上で関連する質問や回答に広告を出すことが可能となります。検索マーケティング会社Semrushによると、通常のテキスト広告のCPMは約2.50ドル、モバイルビデオ広告の相場は約11.1ドルであるとのことで、Perplexityの50ドル以上というCPMレートは非常に高額です。

これは、Perplexityがターゲットとしているユーザー層が高学歴かつ高所得者であるため、広告主にとって非常に価値が高いと見なされているからです。特に、技術、医療、金融などのカテゴリが主なターゲットとなっており、広告主はユーザーの関心に合った広告を効率的に配信できると期待されているようです。

「Perplexity広告」について一言

今回のPerplexity広告は成長のための収益源というより、まずはビジネスモデル確立のための原資獲得といった見方のほうが正確かと思います。

Perplexityはユーザーの入力する質問に対し、ウェブ上に存在するメディア記事を引用した回答生成を返す検索サービスです。サービス開始から記事を供給するパブリッシャーとの関係性に問題を抱えてきました(パブリッシャーは記事を提供するにもかかわらず見返りがないため)。

Perplexityはパブリッシャーとの関係性を確保するために2024年7月に収益プログラムを発表しました。これはPerplexityが生成する回答にパブリッシャーのコンテンツが使用された場合、その収益の一部が分配される仕組みとなっています。収益プログラムを確立し、パブリッシャーとしての関係性を構築するためには当然ながら原資が必要であり、ユーザー収入以外にこの広告費がその原資を賄うものになると想定されます。

出所:Perplexity AI plans to start running ads in fourth quarter as AI-assisted search gains popularity(CNBC)

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執筆者

慶應義塾大学卒業後、総合化学メーカーを経てデロイトトーマツコンサルティングに在籍。新規事業立ち上げ、M&A、経営管理、業務改善などのプロジェクトに関与。マーケティング企業を経て、株式会社ProFabを設立。ProFabでは経営コンサルティングと生成導入支援事業を運営。

TechTechでは、技術、ビジネス、サービス、規制に関する最新ニュースと、各種ツールの実務的な活用方法について、初心者でも理解できる明瞭な発信を心掛ける。日本ディープラーニング協会の実施するG検定資格を保有。

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