OpenAIが発表したCodexは、クラウド上で稼働し、あなたのGitHubリポジトリを丸ごと読み込んでくれるソフトウェア開発専用のAIエージェントです。たとえば「この部分に検索機能を追加して」と依頼すれば、関連ファイルを自動で特定し、コードを書き足し、テストを実行して合格するまで修正を繰り返します。バグ修正やリファクタリング、テスト作成、プルリクエスト生成まで一気通貫でこなすため、開発者は複雑なセットアップを行わなくても、ブラウザ上から指示を出すだけで高品質なコード変更を安全に受け取れます。
Codexとは何か
Codexは、クラウドベースで動作するAIエージェントです。ソフトウェアエンジニアリング向けに最適化された「codex-1」モデルを搭載し、リポジトリ全体(コードの格納されたフォルダ)を読み込んでタスクごとに独立したサンドボックス環境(外部と隔離された仮想実行環境)で動作します。人間の開発者と同様、コードを編集し、テストを実行して結果を検証しながら作業を完了します。
codex-1モデルは、内部ベンチマーク(SWE-Bench、OpenAI内部タスクなど)で、従来モデルと比較して高い合格率を記録しています。特に、codex-1は192kトークンのコンテキスト長で67〜75%のpass@kを示し、o3-highを上回る性能を発揮しています。

本日よりChatGPT Pro、Team、Enterpriseユーザー向けにリサーチプレビューが開始されました。Plusおよび教育機関ユーザーへの提供も順次予定されています。数週間は追加料金なしで利用可能で、その後はレート制限や従量課金制に移行する見込みです。
Codexの主な機能
Codexはリポジトリ全体を読み込んだ上で、機能追加、バグ修正、テスト実行、プルリクエスト作成といった多様なコーディングタスクを同時並行で処理します。新機能を実装する際には、テスト駆動開発の手法を取り入れて動作確認を行い、不具合箇所の修正では既存コードを解析して最適な修正案を提案します。続いて、リンターや型チェックを含むテストハーネス(コードの文法やスタイル、データ型の整合性を自動で検査する仕組み)を実行し、問題が解消されるまで繰り返し検証を行うため、高い品質が担保されます。そして最終的には、変更内容をまとめたプルリクエストを自動で生成し、GitHub連携機能を通じてそのまま送信可能です。これらすべての処理は独立したクラウドサンドボックス環境(外部と隔離された仮想実行環境)で実行され、ユーザーはリアルタイムで進捗やログを確認できます。

リポジトリ内に配置するAGENTS.md
ファイルを使うことで、Codexの振る舞いをプロジェクト固有の要件に合わせて細かく制御できます。テストの実行手順やコミットメッセージのフォーマット、コーディング規約などをあらかじめ記述しておくことで、チームの開発フローに沿った自然な提案とコード変更が可能になります。
Codexはインターネット接続を遮断したセキュアなサンドボックス(外部と隔離された安全な実行領域)上で動作し、外部API呼び出しやWebアクセスを一切行いません。また、すべてのターミナルログやテスト結果には自動的に引用情報が付与されるため、どのステップでどのような変更が行われたかをユーザーが容易に追跡・検証できます。 開発者向けカスタマイズ
リポジトリ内に配置したAGENTS.md
ファイルで、Codexの動作方針を細かく指定できます。テスト手順や開発フロー、コミットメッセージの形式、プロジェクト固有のコーディング規約などを記載することで、よりプロジェクトに即したエージェント挙動を実現します。
Codexは安全かつ透明性の高い実行環境を備えています。インターネット接続を遮断したサンドボックス内(外部と隔離された安全な実行領域)でのみ動作し、外部APIやウェブアクセスは一切行いません。全てのターミナルログやテスト結果には引用が付与され、どのような変更が行われたか追跡可能です。
「Codex」について一言
これまで、DivineやCursorといった先行アプリケーションがコーディングエージェント市場を牽引してきましたが、OpenAIのCodexはGitHubとのシームレスな連携を実現した点が最大の強みです。既存のリポジトリに対して直接プルリクエストを投げられるため、大規模システムの改修や小規模スクリプトのブラッシュアップまで、幅広いユースケースに対応可能です。
初期リリースではChatGPT ProやTeamのプラン内で追加コストなく利用できるため、エンジニアだけでなく、非プログラマのプロダクトマネージャやデザイナーにも手軽に試してもらえます。段階的に導入されるレート制限や従量課金制を経ても、幅広い層へのアクセスが担保される点は大きな好機です。
さらに、OpenAI製品ならではの直感的なUI/UXがCodexでも踏襲されており、複雑な設定なしに操作を開始できるとともに、エラーや進捗状況が分かりやすく表示されます。High-endのLLM性能と相まって、高い生産性を発揮しつつユーザー体験を損なわない点は、今後のシェア争いでの差別化要素となるでしょう。
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