OpenAIがAI検索機能を持ったブラウザを開発中との報道

OpenAIのブラウザ開発報道

OpenAIが、新たにブラウザ開発を検討しているとの報道がありました。OpenAIは11月初旬にAI駆動の検索エンジン「SearchGPT」をリリースしたところですが、次いでブラウザへの参入が報じられ、Googleの支配的な立場を脅かす動きとして注目されています。

目次

OpenAIのブラウザ開発

ChatGPTの開発者であるOpenAIは、チャットボットと組み合わせたウェブブラウザの開発を検討しているとThe Informationが報じました。このブラウザは、AI技術を活用し、ユーザーに新たな検索体験を提供することを目指しており、Googleが長らく支配しているブラウザ市場と検索市場に挑戦する可能性があるとされています。

報道によれば、OpenAIはウェブサイトやアプリ開発者と連携して検索機能の強化を進めており、プロトタイプや製品デザインを一部の関係者に公開しているとのことです。具体的には、Condé Nast、Redfin、Eventbrite、Pricelineといった企業と協議を行っており、検索技術を活用した新しいユーザー体験の創出を模索しています。

また、OpenAIはすでに「SearchGPT」を導入しており、これによって検索市場への参入を果たしています。この動きにより、Googleとの直接的な競争が避けられない状況になる可能性が高まっています。

OpenAIのChatGPTについては、すでにApple製品への導入がなされていますが、今回の新はサムスン製のデバイスへの載も検討されているようです。

関連企業の補足情報

Condé Nast: Condé Nastは、アメリカ合衆国ニューヨークを拠点とする多国籍マスメディア企業です。1909年に設立され、ファッション誌『ヴォーグ』などを発行しており、世界32の市場で事業を展開しています。

Redfin: Redfinは、アメリカ合衆国に本社を置く不動産仲介会社で、オンラインプラットフォームを通じて効率的な不動産取引を提供しています。

Eventbrite: Eventbriteはカリフォルニア州サンフランシスコに本社を置くイベント管理プラットフォーム企業で、世界170以上の国と地域で数百万のイベントを管理しています。

Priceline: Pricelineは1997年に設立されたオンライン旅行会社で、航空券やホテル予約などの旅行関連サービスを提供しています。「逆オークションモデル」で知られる同社は現在、Booking Holdings Inc.の一部です。

「OpenAIブラウザ開発」について一言

ブラウザとは、インターネット上のウェブページを閲覧するためのソフトウェアであり、検索エンジンはそのブラウザを通じてインターネット上の情報を検索するためのツールです。現在、Google Chromeなどのブラウザが市場を支配していますが、OpenAIが開発を進めるブラウザが登場することで、今後どのような変化が起こるのでしょうか。OpenAIがブラウザを開発することで、以下の4つのセグメントに対して異なる影響が考えられます。

テックに敏感な企業: テクノロジーに敏感な企業、特にスタートアップは、OpenAIのブラウザを積極的に導入する可能性があります。ブラウザはAIによる高度な検索機能を持ち、情報収集の精度や効率を劇的に向上させることが期待されます。特に、リサーチやデータ分析、プロジェクトマネジメントにおいてAIが支援することで、これらの企業は競争優位性を強化できるでしょう。

重厚長大な大企業: 大企業にとって、プライバシーとデータ保護は最重要事項です。OpenAIのブラウザがプライバシー保護を強く打ち出す場合、Google Chromeのようなデータ収集型のブラウザに代わる選択肢として検討される可能性があります。また、ブラウザ変更は既存のハードウェア上での設定や、社内システムとの互換性に影響を与える可能性があり、導入に慎重になる傾向があると考えられます。

中小企業・フリーランス: 中小企業やフリーランスにとっては、コスト効率と使いやすさが特に重要です。OpenAIのブラウザが低コストで提供され、業務効率化に寄与するならば、普及が進む可能性はあります。一方で、導入の際の学習コストを考慮すると、特に技術サポートが乏しい環境では普及が難しくなる可能性があります。

個人利用: 一般の個人ユーザーには、新しいブラウザに対して慎重な立場を取る人も多いですが、AIによる利便性向上やパーソナライズが強調されれば、一部の層には強い魅力となるでしょう。特に、日常の情報収集やオンラインショッピングでAIが活躍する場面が増えれば、テクノロジーに興味があるユーザーを起点に、時間をかけて受容される可能性があります。

出所:OpenAI considers taking on Google with browser, the Information reports

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執筆者

慶應義塾大学卒業後、総合化学メーカーを経てデロイトトーマツコンサルティングに在籍。新規事業立ち上げ、M&A、経営管理、業務改善などのプロジェクトに関与。マーケティング企業を経て、株式会社ProFabを設立。ProFabでは経営コンサルティングと生成導入支援事業を運営。

TechTechでは、技術、ビジネス、サービス、規制に関する最新ニュースと、各種ツールの実務的な活用方法について、初心者でも理解できる明瞭な発信を心掛ける。日本ディープラーニング協会の実施するG検定資格を保有。

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