OpenAI:エージェント開発を加速する新ツールを発表

response api

OpenAIは、エージェント型AIの開発を劇的に簡単にする新しいAPIとツール群を発表しました。ウェブ検索・ファイル検索、コンピューター操作といった強力な組み込みツールを利用可能な先進的なAPIが開放され、マルチエージェント管理を可能にするAgents SDKの提供により、企業や開発者がより迅速に、そして効果的にエージェントを構築・運用できる環境が整います。

目次

Responses APIとは

今回OpenAIが発表したResponses APIは、従来のChat Completions APIとAssistants APIそれぞれの良さを融合させた新しいAPIです。Web検索、ファイル検索、コンピュータ操作などの組み込みツールがあらかじめ統合されており、単一のAPI呼び出しで複雑なタスクも容易に処理できます。また、直感的なインターフェイスやストリーミングイベントのサポートなど、多くのユーザビリティ向上が図られています。

Responses API自体には追加料金は特になく、使用したトークンやツールに応じた標準料金が適用されます。また、これまで提供されていたAssistants APIは2026年半ばに廃止される予定であり、Responses APIへ一本化される計画です。OpenAIは現在Assistants APIを使用している開発者に対して、移行を円滑に行うための詳細なガイドラインを提供する予定です。

組み込みツールの詳細

Responses APIに統合された組み込みツールには、「Web検索」「ファイル検索」「コンピュータ操作」が含まれています。

Web検索ツールは、最新の情報をリアルタイムで取得できるツールで、GPT-4oやGPT-4o miniといったモデルを使い、信頼できる情報を明確な引用元と共に迅速に提供します。料金はGPT-4oモデルの場合、1,000クエリあたり30ドル、GPT-4o miniでは25ドルです。

ファイル検索ツールは、大量のドキュメントから効率的に情報を取り出す機能を備えており、顧客サポートや法務業務、技術文書の検索などに役立ちます。料金は1,000クエリあたり2.5ドル、ファイルストレージは1GBあたり1日0.1ドルですが、最初の1GBは無料で利用できます。

コンピュータ操作ツールは、AIがブラウザやOS環境で直接操作を行うことで業務を自動化するものです。営業活動やデータ入力など、日常的な業務を効率化できます。料金は入力トークン100万トークンあたり3ドル、出力トークン100万トークンあたり12ドルです。

Agents SDKとは

Agents SDKは、エージェント間の連携や管理を効率的に実施できるように設計された新しいオープンソースの開発支援ツールです。エージェント間でスムーズにタスクを受け渡す「ハンドオフ」機能、入力・出力情報を安全に管理・検証するための「ガードレール」機能が備えられており、マルチエージェントによる複雑な業務フローを簡単に構築・管理できます。

また、このSDKはオープンソースで提供されるため、開発者コミュニティが活発に関与して継続的な改良を進められます。コミュニティが主体となり、多様な業界の具体的なニーズやアイデアを取り入れながら発展させていくことが期待されています。企業にとっては、異なるタスクを担当する複数のエージェントを組み合わせて活用することで、より柔軟でスケーラブルな自動化の実現が可能となります。

「OpenAIのエージェント開発ツール」について一言

OpenAIからエージェント開発ツールの提供開始が発表されました。これまでOpenAIのウェブアプリで利用可能だったウェブ検索、ファイル検索、コンピュータ操作、といった機能ですがAPIでの提供はなされてきませんでした。そもそもこれらの機能の裏側は必要に応じてツールを使い分けるエージェントでした。今回これらのエージェント機能がAPIを通じて利用可能となることで、OpenAIのウェブアプリで使えていたが、開発に用いることのできなかった機能・パフォーマンスを自社開発で実現することができます。

各論としてみれば、ウェブ検索についてはすでにPerplexityがAPIとして開放していたためそこまでのインパクトはないと思っています(まだ試していませんが)。一方で、コンピュータ操作はいわゆる「Browser-Use」と呼ばれる、仮想ブラウザを組成しスクリーンショットとAIの組み合わせて自律的にアクションを実行する機能についてはAPI開放されているツールはないので(オープンソースはありますが)、開発の分野にインパクトを与えることになると思います。

出所:エージェント開発のための新たなツール

ProFabサービス資料
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執筆者

慶應義塾大学卒業後、総合化学メーカーを経てデロイトトーマツコンサルティングに在籍。新規事業立ち上げ、M&A、経営管理、業務改善などのプロジェクトに関与。マーケティング企業を経て、株式会社ProFabを設立。ProFabでは経営コンサルティングと生成導入支援事業を運営。

TechTechでは、技術、ビジネス、サービス、規制に関する最新ニュースと、各種ツールの実務的な活用方法について、初心者でも理解できる明瞭な発信を心掛ける。日本ディープラーニング協会の実施するG検定資格を保有。

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