2025年5月末、ManusはAIスライド生成の「Manus Slide」とウェブサイト自動生成エディターの両面で大型アップデートを実施しました。スライドは調査からデザインまでをAIが一気に組み立て、完成データをPPTやGoogleスライドで自在に編集できます。ウェブサイトはブラウザ上でテキストやコンポーネントを即時修正でき、コードもダウンロードして本番環境へデプロイ可能です。
Manus Slideアップデート
Manus Slide は、キーワードと目的を入力するだけで調査から構成、文章、デザインまでを一気通貫で自動生成します。今回のアップデートは次の内容を含みます。
- ビジネス特化の論理構成とデザイン精度向上
- PDF/PPTX/Google スライド同時エクスポート により共有スピードが加速
- スマートレイアウトとテンプレートの拡充 でデザイン調整が数クリック
- データ連動型グラフ・インフォグラフィック自動生成 で情報量に応じて最適化
- ストーリーテリング生成アルゴリズム の改良で聴衆の集中を維持
- 過去プロジェクト学習 によるパーソナライズ強化 という六つの強化点が目玉となっています。
実際に機械学習の基礎を解説するスライドを生成してみたところ、完成までにおよそ 15〜20 分 を要しました。

生成後に右上の 編集モード を選択するとスライド上のテキストを書き換えたり、オブジェクトを複製・削除したりできますが、フォントウェイトやカラー、配置といったトーン&マナーの細部は変更できません。この点はブラウザ上でより柔軟に編集できる Genspark に一日の長があります。

一方で ダウンロード機能は秀逸 です。PPT、PDF、Google スライド形式でエクスポートでき、PPT と Google スライドでは各オブジェクトが SVG として保持されるため、通常のスライド編集と同じ感覚で自由に調整できます。ただし、一部の要素がスライドの縦幅を超えてはみ出すケースがあり、エクスポート後に微調整が必要でした。それでも、Manus でドラフトを作り、PPT または Google スライドで仕上げるワークフローは、個々の好みを十分に反映できると感じています。




ウェブサイトの編集機能
新機能により、AIが生成したサイトの文面をブラウザ上でそのまま書き換えられるようになりました。
- リアルタイム反映:編集すると即プレビューに反映。公開サイトもワンクリックで更新完了。
- 再生成不要:従来のように “ちょっとした言い回し” のために全ページを作り直す手間が皆無。
- ブランドトーンの最終調整が容易:社内レビューを経てからの表現ブラッシュアップが高速。
- コードエクスポートにも対応:HTML/CSS/React/Next.js ベースのコードをダウンロードし、VS Code で細部を詰めることが可能。
長野県でリゾート兼ワーケーションに利用できるホテルをテーマに LP を生成したところ、数分で 高いデザイン性を備えたページ が完成しました。
現物はこちら:https://tzmuekvk.manus.space/


各セクションの近くに設けられた 編集ボタン からコンポーネントのコピーや削除が行え、テキストについてはフォントウェイトやカラーも含めてブラウザ上で直接編集できます。サイトは生成直後に 即時デプロイ され、修正もリアルタイムで反映されるため、PDCA サイクルが非常に速い点が魅力です。


一方、問い合わせフォームなどの動的要素は標準では機能しません。実務で活用する場合は、Manus から コード一式をダウンロード し、自社環境でカスタマイズしたうえで再デプロイするのが現実的だと感じました。
「Manusアップデート」について一言
Manus がエージェント機能で注目を集めてから数ヶ月が経過し、主観的には熱量がやや下がってきた印象です。無償クレジット配布などのキャンペーンは、その焦りの表れとも受け取れます。そんな中で Genspark が資料・サイト編集ツールをリリースし大きな話題をさらいました。Manus も追随する形で今回の機能強化を実施し、再び注目を集めつつあります。
実際に使ってみると確かに優秀で、今後も活用していきたいツールですが、Genspark と比べると 出力のトーン&マナーや機能が近似 しており、大きな優位性は感じにくいのが正直なところ。今後はスライド構成やトーン&マナーを よりユーザーフレンドリーにカスタマイズできる改善 が加わることで、さらなる差別化が図れると期待しています。
生成AIコンサルティング
全社に広くAIを普及させたい方。AI活用の構想策定、要件定義、ChatGPTなどAIツールの活用法をレクチャー。

AIアプリケーション開発
AIによる効果を深く享受したい方。AIワークフロー開発ツールDify、RAG、LLMを用いてAIアプリケーションを開発。
