株式会社LIFULLは、社内での生成AIの活用を推進し、年間で約42,000時間の業務時間を創出したと発表しました。2024年9月に実施した調査では、全従業員の82%にあたる532名が生成AIを活用し、業務効率化を実感していることが明らかになりました。特に、顧客対応や大規模なデータ分析において顕著な効果を上げており、全従業員の66.4%が業務の質も向上したと回答しています。月間8時間以上の効率化を実現している従業員も増加し、コア業務への集中が可能になったと報告されています。
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調査結果の概要
LIFULLの社内における生成AIの活用状況について、2024年9月に行われたアンケート調査では、649名の従業員のうち82%にあたる532名が生成AIを使用して業務効率化を達成したと回答しました。創出された業務時間は総勤務時間の3.2%に相当し、月間8時間以上の効率化を達成した従業員も増加しています。前回調査比で10.2%の増加が見られ、さらに業務の質の向上を実感した従業員は66.4%に達しています。
職種別に見ると、エンジニアやデザイナー職においては、ほぼ100%の従業員が生成AIを活用しており、業務オペレーションの効率化に貢献しています。さらに、バックオフィスや営業職といった一般的に生成AIの活用障壁が高いとされる職種でも、バックオフィス職の84.3%、営業職の74.9%が生成AIを活用しており、全社的な導入が順調に進んでいることが伺えます。
生成AIの活用によって生まれた新たな業務時間は、目標達成に繋がるコア業務への集中を可能にし、前年同期間比で2.9%から5.3%の向上をもたらしました。この効率化により、業務の質の向上だけでなく、企業全体の生産性向上にも寄与しています。
「LIFULLの業務効率化」について一言
恒例行事となりつつある、LIFULLの業務効率化レポートです。感触としては幾度かの調査を経て、かなり落ち着いてきた印象です。一般的な組み込み型ではないチャット形式の生成AIツールを使うと、デスクワーク人材比率が高い企業で、4時間/月あたりとうことなのでしょうか。一人当たりの月間労働時間は160時間なので2.5%削減。仮に年収が1,000万円/年と見積もると、単純計算で25万円/人のコスト削減になります。また、ツール導入予算という観点では1-20万円/年・人というイメージ感になります。
この調査でも労働時間削減に加え、コア業務時間割合が含まれていますが、個人的には生成AIを活用すると、知的ストレスも低減する気がしています。筋の良いアイデアに行き着くまで調査したり、膨大な結果を統合、整理する作業は知的エネルギーをかなり消費する体感であり、ストレス値まで含めるとかなりの効果を表現することができるのではないかと思ったりもします。