Claude 4は、長時間にわたる議論・調査・コーディングを途切れさせない安定性と、検索・ファイル操作などの外部ツールを呼び出せる柔軟性を兼ね備えた最新世代AIです。従来モデルより深い推論と実務的な作業を両立させることで、リサーチ・開発・カスタマーサポートを丸ごとカバーします。一方、Claude CodeはVS Code/JetBrains拡張とGitHub連携を通じて、ローカル開発からCI/CD、自動レビューまでをひとつなぎにし、専門知識がない人でも“AIペアプログラマ”を使いこなせる道筋を作りました。
Claude 4とは
Claude 4は、Opus 4とSonnet 4という二つのモデルで構成されています。Opus 4は長時間のエージェントタスクや複雑なコードリファクタリングに特化し、Sonnet 4は日常利用と応答速度のバランスを最適化しています。いずれも「拡張思考(Extended Thinking)」と呼ばれる新モードを備え、推論の途中でWeb検索やコード実行を複数回・並列に行いながら結論を導き出せます。
具体的には、最大100ステップまでの思考とツール呼び出しを往復しつつ、必要な情報だけをメモリファイルに蓄積します。このアプローチにより、数時間にわたるタスクでも途中で文脈を失わず、ショートカット行動が大幅に抑制されました。SWE‑benchで70%超の正答率を記録したコーディング性能、最大100万トークン規模のコンテキスト保持、多言語対応力など、基礎能力も前世代を大きく上回ります。


利用面では、Anthropic API・Amazon Bedrock・Google Vertex AIの各プラットフォームに加えて、ブラウザ版でもSonnet 4を無料枠で試せます。Pro以上のプランではOpus 4と拡張思考が解放され、研究・開発・カスタマーサポートなど幅広いシナリオで効果を発揮します。
Claude Codeとは
Claude Codeは、これまでベータ版として提供されてきた開発者向けエディタ連携ツールを正式リリースへと押し上げました。具体的には、VS Code(マイクロソフト製の人気コードエディタ)とJetBrains系IDE(IntelliJ IDEAなど)に直接インストールできる拡張機能を公開し、コードの提案や修正をエディタ内にそのままインライン表示できるようになりました。これにより、ローカルでの動作確認→コミット→プルリクエスト(PR)作成という一連の流れを、画面遷移やコピー&ペーストなしで滑らかに回せます。
さらに、GitHub Actions(リポジトリ上でテストやデプロイを自動化する仕組み)と統合することで、PRを開いた瞬間にClaude Codeが差分を解析し、テスト失敗の原因やリファクタリング案をコメントとして自動投稿します。非エンジニアの読者向けに噛み砕くと、**「ファイルをアップロードしたらAIが内容をチェックし、問題箇所を赤ペンで添削してくれる」**ようなイメージです。

今回のアップデートではモデル側の基盤能力も引き上げられました。Opus 4/Sonnet 4は推論の途中で複数の外部ツールを同時に呼び出し、結果を受け取って再度考えるというサイクルを自動で繰り返します。たとえば「テストを走らせながら別の検索クエリを実行し、その両方の結果を踏まえて次の修正案を提示する」といった芸当が可能です。また、開発者がプロジェクトフォルダーへの読み書きを許可すると、モデルは自ら**メモリファイル(例:memory.md)**を作成し、進捗や設計上の前提を記録します。これによって、数時間~数日の長い作業でも途中で方針を忘れず、一貫した提案を続けられる点が大きな強みです。

APIにも4つの新機能が加わりました。コード実行ツールはテストスクリプトを即時に走らせ結果を推論へフィードバックし、MCPコネクタは外部サービス(チャットやチケット管理など)と安全にメッセージ交換します。ファイルAPIは大きなログファイルや画像をそのままやり取りできる窓口で、プロンプトキャッシュは“同じ質問を連続で送る際の待ち時間とコスト”を削減してくれます。要するに、開発者が複雑なAIエージェントを少ないコードで組み立てやすくなった、というわけです。
「Claude 4」について一言
実際に使い始めてまず感じるのは、Claude 3.7 Sonnetと比べたときのロングコンテキストの安定性です。チャットを何十往復続けても話題がブレにくく、同じスレッドで深掘りと派生トピックの両方を気兼ねなく試せるようになりました。
わかりやすいアップデートとしては、Claude CodeがGitHub連携をすると自動的にメモリ機能が働き、作業の途中経過を覚えてくれる点です。開発者だけでなく、企画書や記事執筆で大量の資料を行き来するユーザーにも「長く付き合える相棒」として頼りになる――そんな手応えを強く感じています。
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