Canvaが史上最大のアップデート:デザイン軸の総合AIプラットフォームへ

Visual Suite 2.0

Canvaは「Canva Create 2025」において、史上最大規模のアップデート「Visual Suite 2.0」を公開しました。異なるツール間の壁を取り払い、AIの力を活用することで、デザイン制作と生産性向上を同時に実現する画期的な新機能が搭載されています。スプレッドシート機能「Canva Sheets」の導入をはじめ、「Magic Studio」の機能強化や「Canva AI」「Canva Code」によるデザイン生成の簡素化、さらには写真編集機能の大幅な改善など、多彩な新機能が一斉に追加されています。

目次

Canvaの大幅アップデート

従来、クリエイティブな作業と業務効率化ツールは別々に存在しており、複数のアプリ間での連携が求められていました。しかし、Canvaの新しいVisual Suite 2.0は、プレゼンテーション、動画、ホワイトボード、Webサイトといった複数のコンテンツ形式を単一の統合フォーマットで提供します。これにより、デザイン作業は一元化され、ツール間の切り替えや情報の分散を防ぎ、効率的でシームレスな創作活動を可能にします。

Visual Suite 2.0
異なるクリエイティブを統合

Canva Sheetsは、スプレッドシート作業をAIで革新する機能です。従来の表計算ソフトとは異なり、Magic InsightsやMagic FormulasといったAI機能を活用し、データ処理や分析を直感的に行えます。また、スプレッドシートそのものを視覚的に美しく仕上げるため、データが創造的なデザイン要素として活用されることになります。

Canva Sheets
Canvaに表計算機能が追加

Magic Studioには、Magic Writeによるテキストの一括生成やMagic Resizeによるデザインのサイズ変更、さらに一瞬で複数言語に翻訳する機能が追加されました。

Magic Studio
テキストによる一括編集も

また、Google AnalyticsやHubSpot、Snowflakeといった外部プラットフォームのデータを簡単に取り込み、それを魅力的なチャートで視覚化するMagic Chartsも提供されます。これにより、複雑なデータ連携が簡単になり、大量のデザインを高速で生み出せます。

Magic Charts
Google Analyticsと連携し、グラフ作成

Canva AIは、音声やテキストなどの簡単な指示から瞬時にデザイン案を生成できる機能です。さらにCanva Codeでは、プログラミング知識がなくても、インタラクティブなコンテンツやツールを作ることが可能になります。これにより、デザイン初心者でも高度な表現が可能となり、クリエイティブ活動が一層身近になります。

Design and code
ClaudeのArtifactのような機能

Visual Suite 2.0では、デザイン画面内で写真編集が直接行えるようになりました。背景生成機能を使えば、クリック一つで自然かつ魅力的な背景を作成できます。画像内の要素の移動や削除、色やサイズ変更もポイント・アンド・クリックで完結し、デザインの仕上げを格段に簡単かつスピーディにします。

Powerful new photo editing
画像編集もスムーズに

「Canvaアップデート」について一言

今回のCanvaのアップデートは、体験の統合、スプレッドシート機能の追加、GAやHubSpotとのインテグレーション、キャンバスの強化など、多面的かつ全方位的なものでした。このような試みは、ChatGPT、Claude、Geminiなどの基盤モデル開発企業でも進められていますが、Canvaが他社と大きく異なるのは「デザイン」という軸に徹底的に特化している点です。これにより、AI技術の活用が単なる効率化や生産性の向上にとどまらず、ユーザーの創造性を最大限引き出すことに直結しています。デザインという視覚的かつ直感的な軸でAIを活用するCanvaのアプローチは、今後のクリエイティブ市場において重要な差別化要因となるでしょう。

出所:Introducing Visual Suite 2.0: Productivity, meet creativity

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執筆者

慶應義塾大学卒業後、総合化学メーカーを経てデロイトトーマツコンサルティングに在籍。新規事業立ち上げ、M&A、経営管理、業務改善などのプロジェクトに関与。マーケティング企業を経て、株式会社ProFabを設立。ProFabでは経営コンサルティングと生成導入支援事業を運営。

TechTechでは、技術、ビジネス、サービス、規制に関する最新ニュースと、各種ツールの実務的な活用方法について、初心者でも理解できる明瞭な発信を心掛ける。日本ディープラーニング協会の実施するG検定資格を保有。

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