堺で建設業を営む進和建設工業は、経営者の性格・知見をインプットしたAIクローンを用いて事業承継に挑戦します。
ニュースの要約
堺市に拠点を置く進和建設工業は、後継者不足や人手不足が深刻化している建設業界において、AI技術を活用した事業承継を試みることを決定しました。6月21日に現社長が退任し、副社長が新社長に就任するのに合わせて、AIクローンが試験導入されます。これは日本初の試みとなります。
AIクローンは、顔や声、方言まで現社長そっくりに設計されており、現時点では一問一答レベルでの応対が可能です。2028年3月までに、事業計画の立案など高度な業務もこなせるように成長させる計画です。
西田芳明社長の著書やブログ、講演録などを学習し、経営哲学や専門知識も吸収しています。例えば、経営哲学に関して問うと、「社員が自らの力で問題を解決し成長していくことが、会社全体の成長につながるんや」と答えます。
AIクローンの導入により、経営知識やノウハウの次世代への継承が期待されています。西田社長は「私が死んだ後も(知見を)次代に残せるようにしたい」と語っています。特に、創業の原点に立ち返ることの重要性が強調されています。
一方、新社長となる西田泰久氏は、AIに頼り過ぎないことが重要と述べ、「AIが人類の英知を超えるのは避けられないが、恐れず使いこなせる人間になることが必要だ」とコメントしています。
AIクローンがどのように実際の業務に貢献し、課題解決の鍵となるかが注目されます。
「AIクローンの事業承継」について一言
中小建設業でのAI活用かつ面白い方向性だったのでご紹介しました。
事業承継における経営者AIクローンがどこまで役に立つかどうかは疑問ですが(専門的な知見以外ではChatGPTと壁打ちしているのと変わらないのでは・・・)、人口減少の日本ではAIクローンの需要が高まることは間違い無いでしょう。
ただし、増えていくことは間違いないのですが、当然ながら人間が管理する必要があるので管理できる範囲内という制約はありそうです。
また今回の経営者AIもそうですが、誰をAIクローンにするのか、という観点でもムラはありそうです。例えば、技術的な知見を持ったAIクローンを労働力として作るのはありですが、いずれ来る別れの負担を軽くするために家族のAIクローンを作るなし、といった形です。