OpenAI競合、Anthropicが次世代モデルClaude3.5を発表

大規模言語モデルを開発するAnthropicが最新モデルで会える「Claude3.5 Sonnet」を開発しました。Claude3からのアップデートについての詳細に迫ります。

目次

ニュースの要約

1、概要

大規模言語モデルの開発企業であるAnthropicは最新モデルである「Claude 3.5 Sonnet」を発表しました。Claude 3.5 Sonnetは、従来のClaude 3 Sonnetの速度とコストを維持しながら、回答精度において新たな業界水準を打ち立てました。

Claude.aiおよびClaude iOSアプリで無料で利用でき、Anthropic API、Amazon Bedrock、Google CloudのVertex AIからもアクセス可能です。

Claude 3.5 Sonnetの位置付け

2、アップデート

Claude 3.5 Sonnetは、大学院レベルの推論力、学部レベルの知識、コーディング能力で新たな業界ベンチマークに到達しました。特に、ニュアンスやユーモア、複雑な指示を理解する能力が向上し、自然で親しみやすい口調で高品質のコンテンツを生成する能力に優れています。さらに、Claude 3 Opusの2倍の速度で動作するため、コスト効率も高いです。

業界ベンチマークの他社モデル比較①

Claude 3.5 Sonnetは、視覚を用いたタスクでも優れた性能を発揮します。視覚タスクに関する標準的なベンチマークでClaude 3 Opusを上回り、チャートやグラフの解釈などで顕著な改善を見せました。不完全な画像から正確にテキストを起こす能力も向上しています。

業界ベンチマークの他社モデル比較②

新機能としては「アーティファクト」が導入されました。ユーザーがClaudeにコード、プレゼンテーション、ウェブサイトデザインなどのコンテンツを生成するよう依頼すると、これらの「アーティファクト」と呼ばれる作業テーブルが会話の横に表示されます。リアルタイムで生成されたコンテンツを表示、編集、構築できるので、AIによるプロジェクト管理がシームレスに行えます。

アーティファクト

3、セキュリティとプライバシー

Claude 3.5 Sonnetは、安全性とプライバシーへの取り組みを強化しています。モデルは厳格なテストを受けており、誤用を防ぐためのトレーニングが施されています。

外部の専門家と協力してモデルの安全メカニズムをテストし、改善を続けており、英国AI安全研究所(UK AISI)および米国AI安全研究所(US AISI)の評価を受けています。

4、今後の展開

今回のClaude3.5 Sonnet発表を皮切りに、Claude 3.5ファミリーの拡充が計画されています。今年後半には「Claude 3.5 Haiku」と「Claude 3.5 Opus」がリリースされる予定です。

また、エンタープライズアプリケーションとの統合など、ビジネス向けの新機能の開発も進めています。さらに、ユーザーの好みやインタラクション履歴を記憶し、よりパーソナライズされたエクスペリエンスを提供する「Memory」機能の導入も検討されています。

「Claude3.5発表」について一言

表現精度と速度の向上が止まりません。5月にOpenAIのGPT-4o、Gemini1.5proが発表されましたが、1月足らずでさらにその性能を上回るモデルがAnthropicから発表されました。

他社が早期にマルチモーダル(画像、音声、映像などとの統合)に注力している中で、Anthropicは力勝負というか、回答の品質と速度の領域に重きを置いて開発してきた印象ですが、かなり自信があるのでしょう。

出典:Claude 3.5 Sonnet(Claude)

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執筆者

慶應義塾大学卒業後、総合化学メーカーを経てデロイトトーマツコンサルティングに在籍。新規事業立ち上げ、M&A、経営管理、業務改善などのプロジェクトに関与。マーケティング企業を経て、株式会社ProFabを設立。ProFabでは経営コンサルティングと生成導入支援事業を運営。

TechTechでは、技術、ビジネス、サービス、規制に関する最新ニュースと、各種ツールの実務的な活用方法について、初心者でも理解できる明瞭な発信を心掛ける。日本ディープラーニング協会の実施するG検定資格を保有。

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