AI video generator:Adobeが独自モデルで動画生成AIをリリース

ai video generator

Adobeは、AIを活用した動画生成ツール「AI video generator」を発表し、パブリックベータ版として公開しました。Adobe Fireflyを活用したAI video generatorは、テキストや画像のプロンプトから魅力的なビデオクリップを瞬時に生成する革新的なツールです。クリエイターはこれにより、アイデアを具体的な映像に変換し、プロジェクトのBロールやビジュアルエフェクトの補完、さらには創造的なシーン演出まで、幅広い用途で活用することができます。

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AI video generatorの概要

AI video generatorは、テキストプロンプトや画像をもとに、短いビデオクリップ(現時点では約5秒、720pの解像度でmp4形式)を生成するWebベースのモジュールです。

ユーザーは、Adobeの生成AIツールであるAdobeFireflyにログイン後、「テキストからビデオ生成」または「画像からビデオ生成」のオプションを選び、専用のワークスペースでプロンプトを記述するだけで、あっという間に映像作品を手に入れることができます。具体的なテキストプロンプトの記述により、ショットの種類、キャラクター、アクション、場所、さらには美観まで詳細に指定でき、理想とするシーンやBロールを忠実に再現することが可能です。また、Fireflyは動きの調整や特殊効果の追加にも柔軟に対応しており、煙、レンズフレア、水などのエフェクトをシーンに組み込むことで、より印象的な映像表現が実現されます。

Firefly Video Modelは安全な商用利用を前提として設計されており、トレーニングにはAdobe Stockなど、使用許諾を得たコンテンツや著作権の切れた一般コンテンツが活用されています。そのため、Adobeユーザーが提供したコンテンツがトレーニングに用いられることはなく、安心してクリエイティブな映像制作に専念できる環境が整っています。

Adobe Firefly Standardプラン(月額1,580円)で最大20本、Adobe Firefly Proプラン(月額4,780円)で最大70本の生成が可能です。

「AI video generator」について一言

久々に動画生成AIについて取り上げます。先行するサービスとしてはOpenAIのSora、GoogleのVeo、MetaのMovie Genなどがあります。動画の再生時間で比較すると、Soraが20秒、Veoが60秒以上、Movie Genが16秒、ということで5秒のAI video generatorはまだまだのように見えます。また解像度についても他社が1,000px以上に対し、AI video generatorは720pxなのでこちらも優位性はないです。

とはいえ、今回のリリースは動画生成AIにとって大きなイベントとなる可能性はあります。AI video generatorはAdobeの提供する生成AIプラットフォーム上で画像生成機能などと同列で使うことができます。AdobeはSNSなどのクリエイティブ制作に従事する方が実務で利用するツールなのでAdobeを起点に動画生成AIの実用に火が付く可能性はあります。実際のクオリティについてはウェブサイトを見てみてください。

出所:AI video generator

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執筆者

慶應義塾大学卒業後、総合化学メーカーを経てデロイトトーマツコンサルティングに在籍。新規事業立ち上げ、M&A、経営管理、業務改善などのプロジェクトに関与。マーケティング企業を経て、株式会社ProFabを設立。ProFabでは経営コンサルティングと生成導入支援事業を運営。

TechTechでは、技術、ビジネス、サービス、規制に関する最新ニュースと、各種ツールの実務的な活用方法について、初心者でも理解できる明瞭な発信を心掛ける。日本ディープラーニング協会の実施するG検定資格を保有。

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