2025年4月23日に公開された gpt-image-1 API により、ChatGPTですでにリリースされている高精度画像生成がAPI開放されまして。多彩なスタイル表現、テキスト配置の正確さ、生成後の柔軟な編集機能を備え、Adobe や Figma をはじめとする主要ツールが即座に組み込んだことでも話題です。デザイン、EC、教育、ゲームといった幅広い領域でユースケースが急拡大しています。
gpt-image-1 とは
ChatGPT の画像生成機能を担うネイティブマルチモーダルモデルをそのまま API として提供したものが gpt-image-1 です。公開後 1 週間で 7 億枚以上が生成された実績を持ち、スタイルの柔軟性、世界知識に基づく整合性、テキストレンダリング(文字の認識・生成)の正確さが特徴となっています。開発者は単一のエンドポイントで画像の生成と編集の両方を呼び出せるため、既存のワークフローに容易に統合できます。
モデルはプロンプトから静止画を生成するだけでなく、マスク領域を指定した部分編集やテキスト追加、背景拡張などの操作もサポートします。画像サイズや品質レベルを呼び出し時に指定できるため、ラフスケッチから高解像度素材まで用途に合わせた使い分けが可能です。また、テキストと画像の両方を入力に含められるため、参照画像に合わせてスタイルを保ちながら新しいアセットを生成するといった高度な指示も行えます。
料金はトークン課金制で、テキスト入力が 100 万トークンあたり 5 ドル、画像入力が 10 ドル、画像出力が 40 ドルに設定されています。実際の 1 枚あたりの目安は、低品質で約 0.02 ドル、中品質で約 0.07 ドル、高品質でも 0.19 ドル程度と発表されています。従量制なので、小規模な試験導入から大規模運用まで段階的にスケールできます。
すべての生成画像には C2PA メタデータが埋め込まれ(画像に出所証明を埋め込むデジタル透かし)、生成ツール名や編集履歴が検証可能です。さらに、有害コンテンツを防ぐ独自フィルターが標準で有効化されており、開発者は moderation
パラメータでフィルター感度を “auto”(標準)または “low”(やや緩め)に設定できます。いずれの場合もポリシー違反の画像は生成されず、API 経由で送信・生成されたデータは学習には使われません。
外部サービスへの統合
公開初日から複数の主要ツールが連携を開始しました。Adobe は Firefly と Express に組み込み、ユーザーが異なる美的スタイルを瞬時に比較できるようにしています。Figma は Design エディタでのドラッグ&ドロップ編集を実現し、バックグラウンド拡張やオブジェクトの追加・削除をインタラクティブに行えるようになりました。Airtable はマーケティングチーム向けに大量の広告素材を自動生成するワークフローを構築し、地域ごとのローカライズや A/B テスト用バリエーション生成を一括で処理しています。さらに、YouTube 向けの OpusClip や、EC 写真を強化する Photoroom など、専門領域に最適化した機能を短期間で実装した事例が続いています。

Canva は Magic Studio でラフスケッチから高精細なデザイン素材への変換を視野に入れており、GoDaddy はロゴ生成から SNS 用バナーまで統一感のあるブランドアセット作成を目指しています。HubSpot はランディングページやメールマガジンに必要なビジュアルを自動生成してマーケティングの生産性を高める構想を公表しました。また、Instacart はレシピ画像の自動生成、Invideo は動画サムネイルの編集精度向上をテスト中です。これらの動きから、API リリース後も新規パートナーが増え続け、ユースケースがさらに拡大していくことが予想されます。
「gpt-image-1のAPI開放」について一言
画像生成 AI の普及をさらに後押しする動きであることは間違いありません。ただし当面は、API を直接呼び出して自社サービスに埋め込むよりも、Adobe や Canva といった専門アプリに統合された“特化型サービス経由”で一般ユーザーに届けられるケースが主流になると見られます。
こうしたチャネルが増えるほど、安全性への配慮は一層重要になります。OpenAI はガードレールを設けていますが、ジブリ風のように一世を風靡したデザインも生成可能であり、企業が活用する際にはブランドガイドラインや法的・倫理的基準を踏まえた判断が求められます。
出所:Introducing our latest image generation model in the API
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