製造業の顧客対応チャットボット
独自FAQを参照したチャットボットで顧客対応の効率化と顧客インサイトを蓄積
お客様のプロフィール
売上高数1,000億円規模の製造業。製造業向けのハード商材を開発・販売する新規事業部門。少精鋭のチームながら、集客を増やすためにウェブ経由でのマーケティングとしてサービスサイト、ウェブ広告といった施策を推進。
導入前の課題
限られたリソースでの問い合わせ対応
少⼈数チームでの事業運営のため、増加する顧客からの問い合わせ対応に⼯数を割くことが難しく、効率化が必要であった。
新規商材のメリット理解促進
新しい商材であるため、顧客に製品のメリットや価値を効果的に伝え、理解を促進する⼿段が必要であった。
顧客インサイトの蓄積
サービス設計を最適化されていく途上であり、顧客とのコミュニケーションを通じたインサイト抽出、蓄積が必要であった。
デジタルドリブンなオペレーション構築
中長期的にはデジタルを活用したオペレーションが求められており、顧客接点と無人化することの効果検証に意義があった。
当社の提案したソリューション
内部ナレッジを活⽤した⽣成AIチャットボットを開発・導⼊。Difyをベースとしたカスタムソリューションにより、セキュリティと拡張性を両⽴したシステムを提案。

手段と目的が逆転しがちなチャットボット開発において、事前に開発の目的を定義。顧客獲得を主⽬的とし、情報収集段階のユーザーに対して、サイト以上のリッチな情報提供、タイムリーな疑問解消、問い合わせへページへの誘導、を役割として設定。
よりパーソナライズされたやり取りを実現するために独自FAQを作成。商談メモを⽣成AIで構造化、ラベリングすることで、効率的かつ⾼品質なナレッジベースを作成。
Azure OpenAI(text-embedding-3-large、GPT-4)を活⽤し、独自FAQとのシームレスな連携を実現する検索システムを構築。チャンク⻑やベクトル検索⽅法を最適化。
NGワードの検出(モデレーション)、FAQによる参照情報のフィルター(データ設計)、⾔語モデル、アーキテクトの4層でのガードレール設計により、ハルシネーション、セキュリティ、コンプライアンスリスクを最⼩化。
AIツールは継続的な改善が必要。「弱いアシスタント→強いアシスタント→弱いエージェント→強いエージェント」という4段階の開発ロードマップを策定し、今後の改善方針も具体化。
技術仕様
システム構成
- Difyチャットフロー
- Azure OpenAI Service(GPT-4、text-embedding-3-large)
- RAG(Retrieval-Augmented Generation)
- 独自FAQ
- メモリ機能
システム性能
- 応答速度:3秒以内
- アキュラシー:99%
- ハルシネーション率:1%
- コンプライアンス遵守率:100%
導⼊プロセスとスケジュール
要件定義
チャットボット導入の目的、導入ツール、環境、想定問題、評価の枠組みについて議論。
FAQ作成&バージョン0を構築
議事録を元にFAQを作成。DifyのRAG機能を用いてFAQドラフトを元にチャットボットのプロトタイプを開発。Webサイトへの実装まで走ってみて、イメージを掴む。
FAQのブラッシュアップ&バージョン1を構築
出力結果を元に、FAQをブラッシュアップ。新FAQを元にチャットボットの検証&評価を複数繰り返す。
クライアントサイドでの受け入れテスト
クライアントサイドでの30名のユーザーでテストを実施。使用率などの定量データの収集とチャットに対するフィードバックを収集。
受け入れテストを元にバージョン3を構築
フィードバックをもとに、FAQ、アーキテクト、RAG条件をチューニングし、チャットボットを改善。
リリース
社内チェックも完了しリリース。
成果と導⼊効果
問い合わせ対応の効率化
ビジネス内容に関する問い合わせが従来の1/3(約67%減)に減少。限られた⼈的リソースを営業活動や製品開発に振り向けることが可能。
顧客インサイトの蓄積
貴重な顧客の疑問点や関⼼事がチャットログとして蓄積され、製品改善やマーケティング戦略の最適化に活⽤可能な状況に。
リスク管理と安全性の確保
多層的なガードレール設計により、ハルシネーション、コンプライアンスをケア。受け入れテストでも問題なく利⽤できることを確認。
DX施策の⾜掛かりとしての成功
⽣成AI活用の成功事例として、他部⾨や他プロジェクトへの展開検討が始まっている。
AIチャットボットの構築には時間がかかると思っていたが、実質3ヶ月程度で(4ヶ月の内1ヶ月はクライアント内での受け入れテスト期間であったため)スピーディに開発が進んで驚いている。⽴ち上げ段階の新規事業では、限られたリソースを最⼤限有効活⽤することが重要であり、クイックに施策を実行に繋げることができることは重要。また、⽣成AIチャットボットの導⼊により、顧客対応の効率化だけでなく、貴重な顧客インサイトの蓄積という副次的なメリットも得られた。大企業では納得感のある評価⽅法や説明も重要であるが、そのあたりのフォローアップも丁寧でスムーズな導入の大きな要因であったと振り返っている
担当部長
生成AIコンサルティング
生成AIツール(ChatGPT、Gemini、Microsoft Copilot など)の選定から組織浸透までをワンストップで支援。経営目標から逆算したユースケース発掘、1Dayハンズオン、PoC検証、導入後の運用定着まで伴走し、社内にAI活用カルチャーを根付かせます。


AIアプリケーション開発
ローコードの Dify や Microsoft Copilot Studio をはじめ、LangChain/Python など最適な技術スタックを組み合わせて、本番運用に耐える AI アプリを短期間で構築。複数LLM・社内データ・外部SaaS を安全に連携し、業務フローに溶け込む AI 実装を実現します。




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