ChatGPTで画像生成するポイントと注意点

ChatGPTで画像生成するポイントと注意点

AIによる画像生成技術が進化し、テキストの指示だけで高品質なビジュアルを作成できるようになりました。従来の画像編集ソフトでは手作業が必要だった作業も、AIを活用することで短時間で効率的に行えます。

ChatGPTもテキスト対話型AIとしての機能に加えて、画像生成が可能になりました。ビジネス資料の作成やデザイン案の作成など、多様な用途で活用できます。日本語での指示に対応しており、専門知識がなくても直感的に操作できる点が特徴です。

AIによる画像生成は、簡単に多様なスタイルのビジュアルを作成できる一方で、細かい調整が難しい場合や生成された画像の品質にばらつきがあるといった課題もあります。また、商用利用や著作権に関するルールを理解しておくことも重要です。

企業版生成AI導入アプローチ
目次

ChatGPTによる画像生成

ChatGPTは、テキストベースの対話だけでなく、高品質な画像を生成できるAIツールへと進化しました。画像生成機能の導入により、活用の幅が広がり、ビジネスプレゼンテーションのビジュアル資料やロゴ案の作成など、さまざまな分野で利用できます。テキストと画像の両方を扱えるため、アイデアを視覚化しやすくなり、クリエイティブな作業の効率が向上します。

ChatGPTの画像生成機能は、OpenAIが開発したDALL-E 3を利用しています。ユーザーがテキストで指示を入力すると、AIがその内容に基づいて画像を生成する仕組みです。大きな特徴の1つは日本語の指示に対応している点です。複雑なプロンプトを考える必要がなく、通常の会話形式で簡単に画像を作成できます。生成された画像に修正指示を加えることで、対話を通じて理想の画像に近づけることが可能です。

2024年8月のアップデートにより、無料版のChatGPTユーザーも画像生成機能を利用できるようになりましたが、1日あたり2枚までという利用制限があります。ChatGPTによる画像生成は何度も追加で指示を出すことで完成度を高める必要があるため、実用という観点では難しく、お試し機能程度です。

直感的にカスタマイズ可能

ChatGPTの画像生成ツールは直感的なカスタマイズが可能な点が特徴です。色やスタイル、テーマ、雰囲気など、画像のさまざまな要素をテキストで簡単に指定できます。DALL-E 3は、入力内容をもとにニーズに合った画像を生成します。

数秒で画像を生成

数秒で画像が完成する点も優れています。DALL-Eの高度なAI技術により、テキスト指示を瞬時に解析し、適切な画像を素早く作成できます。指示を送信してから数秒後には、希望する画像が出力されるため、ビジュアルコンテンツの作成を効率化できます。この高速生成機能を活用することで、ビジュアルコミュニケーションの速度が向上し、さまざまなシーンで即座に画像を活用できます。

多様なスタイルに対応

リアルな写真風のものから、アート作品のような抽象的なものまで、幅広い表現ができるため、この機能を活用することで、統一感のあるビジュアルコンテンツを作成でき、Webサイトや広告のデザインにも役立ちます。

ChatGPTで画像生成をする際のポイント

ChatGPTでは、短いプロンプトであっても画像生成は可能ですが、書き方を変えたり、追加で指示を与えたりすることで画像の精度を上げることができます。

次のイラストはChatGPTに対して「富士山を描いてください」と送ったところ出力されたイラストです。このイラストをベースに追加でプロンプトを送っていった場合の変化を見ていきます。

プロンプトを具体的に書く

作成したい画像のイメージが明確な場合は、できるだけ具体的にプロンプトに落とし込むことが重要です。短いプロンプトでChatGPTに補完してもらう方法でも画像生成はできますが、背景やシチュエーションまで詳細に指示することで表現の幅を広げられます。具体的な描写が思いつかない場合は、ChatGPTにテーマに基づく具体的なシチュエーションを聞いてみることで提案を受けることができます。

次のイラストは「鮮やかな青空の下、雪を頂いた富士山が雄大にそびえ立つ。山麓は緑豊かな森に囲まれ、赤、オレンジ、黄色の鮮やかな紅葉へと移り変わっていく。手前には静かな湖が山を映し出し、鏡のような効果を生み出している。満開の桜がシーンを縁取り、繊細なピンクの花びらが水面に浮かんでいる。日本の伝統的な鳥居が湖に沈んでおり、風景に文化的な趣を添えている。湖からは柔らかな霧が立ち昇り、神秘的な雰囲気を高めている。ライティングは夕陽の黄金色をとらえ、風景に暖かい光を投げかけ、山の輪郭と周囲の自然を際立たせている。」とかなり長めのプロンプトを追加で送っています。1枚目のイラストからは大きな変化があることがわかります。

追加プロンプトで精度を高める

最初に生成された画像が期待通りでなくても、修正指示を出しながら理想の画像に近づけていくことが重要です。一般的な画像生成AIでは、一度生成した画像の修正ができないことが多いですが、ChatGPTではチャットの文脈を理解しているため、「写真風に変えてください」や「背景を変えてください」などの追加指示を出すことで、修正が可能です。

また、DALL-E 3では、生成された画像にIDが付与されます。ChatGPTのプロンプトに画像IDを表示するよう指示すれば、特定の画像を指定して修正指示を出すことができるので、より精度の高い修正が可能になります。

次のイラストは追加で「季節は冬にして、雪を降らせてください」と送ったものです。前回のプロンプト内容を引き継いだうえで、追加の指示を守ったものが出力されました。

ネガティブプロンプトを活用する

画像に含めたくない要素を明示的に除外するネガティブプロンプトを活用すると、より精度の高い画像を生成できます。特定の要素を描かないように指示することで、より求める画像に近いものが生成できます。ChatGPTでは、画像生成後にも修正指示を出せるため、ネガティブプロンプトを修正指示として活用することも可能です。

画像のスタイルを指定する

生成する画像のスタイルを指定すると、より具体的なイメージに沿った画像を作成できます。写真風、水彩画風、油絵風、漫画風など、表現の方向性を明確にすることで意図に合った画像が得られます。Webサイトのヘッダー画像や動画のサムネイルなど、特定の用途に適した画像を作成する際には、サイズ指定を活用すると便利です。

最後に「1200 x 600の横長にしてください。」と送ったところ、正方形だったイラストが横長になって出力されました。

英語で伝えてみる

ChatGPTの画像生成機能は英語でプロンプトを入力すると、より精度の高い結果を得られる傾向があります。これは、AIの学習データの多くが英語であるためといわれています。ただし、固有名詞や特定の文化的要素は、日本語のまま使ったほうがよいこともあるため、状況に応じて日本語と英語を使い分けることを検討してみてください。

ChatGPTで画像生成する際の注意点

画像の品質が安定しない

ChatGPTの画像生成機能は高度な技術を用いていますが、生成される画像の品質にはばらつきがあります。AIの学習データや解釈には限界があるため、必ずしも意図した通りの画像が生成されるとは限りません。特に、画像の構造や細部の表現において品質のばらつきが見られます。

品質のばらつきはプロンプトの詳細さや具体性によっても影響を受けます。そのため、求める画像を得るには、複数回の試行錯誤が必要です。プロンプトを工夫しながら、生成された画像を確認し、必要に応じて修正を重ねることで、より理想に近い結果を得られます。

画像編集が難しい

ChatGPTで生成された画像は、一般的な画像編集ソフトでの編集が難しいという課題があります。画像内の要素をレイヤーごとに分割できず、個別の要素を編集できないため、後から細かく調整することが困難です。一般的な画像編集ソフトで作られたイラストとは作り方が大きく異なるため、スタイルや色調の微調整も難しく、修正には時間と労力がかかります。求める画像を作成するには、プロンプトを何度も調整しながら再生成を試みるか、生成された画像を参考に手作業で作成する必要があります。

高品質な画像を作成するためには、プロンプトの工夫とAIの特性を理解したうえで、試行錯誤を繰り返すことが重要です。

ChatGPT以外の画像生成AI

Stable Diffusion

Stable Diffusionは、イギリスのStability AIが開発した画像生成AIです。

Hugging FaceのようなWebアプリケーション上で利用できるほか、PCにダウンロードしてローカル環境で実行することも可能です。オープンソースとして公開されており、Stable Diffusionを組み込んださまざまな画像生成サービスが提供されています。

そのため、利用規約はStable Diffusion本体と各サービスで異なりますが、Stable Diffusion、Hugging Face、Dream Studioに関しては、一部を除き商用利用が可能とされています。Stable Diffusion自体は無料で利用でき、PC版は制限なく使用可能ですが、Webアプリケーションでは無料利用に枚数制限がある場合もあります。

Midjourney

Midjourneyは、Discord上で動作する画像生成AIです。利用規約では、基本的に商用利用が可能とされていますが、生成した画像は共有チャットやWebギャラリーに表示されるため、他のユーザーに閲覧される可能性があります。

画像を非公開にしたい場合は、ダイレクトメッセージを利用するか、プライベートサーバー経由でPro Plan以上のステルスモードを有効にする必要があります。また、日本語のプロンプトには対応していないため、英語での入力が必要です。英語が苦手な場合は、ChatGPTを利用してプロンプトを英訳してから入力するとよいでしょう。

Canva AI

Canva AIは、デザインツールCanvaに搭載された画像生成AIです。日本語のプロンプトで簡単に画像を生成できるため、初心者にも使いやすいツールです。無料ユーザーでも50回までは無料で利用でき、商用利用も可能とされています。さらに、生成した画像をCanva上でそのまま編集できるため、デザイン作業の効率が向上します。ただし、24時間以内に25回以上の画像を生成することはできないため、大量に画像を作成する場合は、他の画像生成AIと併用するとよいでしょう。

AIで作成した画像の注意点

商用利用可能なものか確認する

生成した画像を販売したり、商品パッケージに使用したりする場合は、AIの利用規約を確認し、商用利用が可能かどうかを確認する必要があります。

ChatGPTで画像を生成する際に使用されるDALL-E 3の利用規約では、生成した画像の商用利用が認められています。しかし、AIによって生成された画像の著作権をAI開発者側が主張している場合は、商用利用が制限されることがあるため注意が必要です。他の画像生成AIを利用する場合も、同様に規約を確認し、適切な範囲でビジネスに活用することが求められます。

特に、既存のアート作品、商標、著名人の肖像に似た画像は、法的な問題を引き起こす可能性があるため注意が必要です。著作権の観点から慎重に確認し、適切に利用することが重要です。

著作権侵害にあたらないか確認する

画像生成AIを利用する際、著作権に関する問題が重要なポイントとなります。AIに関連する著作権の問題は、開発・学習段階、生成段階、利用段階の3つに分類されますが、ユーザーが特に注意を払うべきなのは利用段階です。

文化庁の資料では、AIを利用して生成した画像であっても、人間が描いた絵と同様に類似性と依拠性を基準に著作権侵害の判断が行われるとされています。つまり、既存の著作物の著作権を侵害していないか、従来と同様のチェックが必要です。画像生成AIをめぐる著作権の問題については、日本ではまだ判例がなく、具体的な基準が明確ではない部分もあります。

参考:AIと著作権

利用規約を確認した上での使用

ChatGPTで作成した画像を使用する際は、利用規約を確認し、その範囲内で活用することが重要です。利用規約には、画像の使用範囲や著作権、個人の肖像権、商業利用の可否など、重要な情報が記載されています。規約を無視して画像を使用すると法的な問題や権利侵害のリスクが生じる可能性があります。

最後に

AIによる画像生成は短時間で多様なビジュアルを作成できる便利な技術です。ChatGPTの画像生成機能は、シンプルなテキスト指示で画像を生成できるため、専門的なスキルがなくても活用しやすい点が特徴です。

ただし、生成される画像の品質にはばらつきがあり、思い通りの結果を得るには試行錯誤が必要になることがあります。また、商用利用の可否や著作権の問題を事前に確認し、適切に運用することが求められます。

今後、AI技術の進化によって、さらに高品質な画像生成が可能になることが期待されています。適切な活用方法を理解し、最新の技術を取り入れることで、AIの可能性を最大限に引き出せるでしょう。

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執筆者

慶應義塾大学卒業後、総合化学メーカーを経てデロイトトーマツコンサルティングに在籍。新規事業立ち上げ、M&A、経営管理、業務改善などのプロジェクトに関与。マーケティング企業を経て、株式会社ProFabを設立。ProFabでは経営コンサルティングと生成導入支援事業を運営。

TechTechでは、技術、ビジネス、サービス、規制に関する最新ニュースと、各種ツールの実務的な活用方法について、初心者でも理解できる明瞭な発信を心掛ける。日本ディープラーニング協会の実施するG検定資格を保有。

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