Anthropicがプロンプト改善関連の機能をアップデートしました。かねてより提供していたテストツールWorkbench機能のアップデートに加え、プロンプト改善機能をリリースしました。より優れたプロンプトが、より良いAIの応答につながります。Anthropic Consoleは、事前にクレジットを取得した後で利用可能です(従量課金)。
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プロンプト改善機能のリリース
Anthropicの開発者向けツールAnthropic Consoleに新たにプロンプト改善機能が追加されました。この新機能により、開発者は簡単にプロンプトを自動で改良できるようになります。最適なプロンプトを設計するには時間と労力が必要であり、またそのベストプラクティスはモデルによって異なるため、非常に複雑です。プロンプト機能は、こうした課題を大幅に軽減し、プロンプトエンジニアリングの効率を飛躍的に向上させます。
プロンプト改善機能では、修正したいプロンプトと改善の方向性をインプットするだけで、より良質なプロンプトを生成することができます。次のプロンプト改善機能の内容をお示しします。
思考の連鎖を活用:Claudeが回答を生成する前に、問題を体系的に考えさせるための専用セクションを追加し、精度と信頼性を向上させます。
例の標準化:例を統一されたXML形式に変換し、明確かつ処理しやすいものにします。
例の強化:新たに構造化されたプロンプトに合わせて、既存の例を強化します。
書き直しによる改善:プロンプトの文章を再構築し、文法やスペルミスを修正してより明確にします。
事前入力の追加:アシスタントの指示を事前に設定し、特定のフォーマットで出力することを確実にします。
Anthropicのテストでは、プロンプト改善機能を使うことで、マルチラベル分類の精度が30%向上し(例えば、船と車が同じ画像に含まれている場合、それぞれを認識する必要があるタスクで)、要約タスクの単語数遵守率が100%に達したことが確認されました。
Workbench機能のアップデート
今回のリリースには、Workbenchの大幅なアップデートも含まれています。特に、プロンプトに対して具体的な例を追加するための新機能が追加され、応答の品質を向上させることが期待されています。プロンプトに具体的な例を追加することは、モデルの応答品質を向上させるための効果的な方法です。このアップデートにより、Workbench内で例を構造化された形式で直接管理できるようになり、明確な入力/出力ペアを持つ新しい例を追加したり、既存の例を編集できるようになりました。
「Anthropicプロンプト改善機能」について一言
そもそも言語モデルからの出力品質を向上させる手段は大きく、言語モデルの改良、RAGの利用、プロンプトの工夫がありますが、プロンプトが最もリーズナブルかつ効果的なアプローチと言われています。データを検索するRAGよりも、プロンプトに情報を入れ込むプロンプトの方が精度が出るという論文もあります。よって、プロンプトの工夫は生成AI活用でかなり重要度の高いトピックということになります。
プロンプト開発機能はOpenAI、Microsoftなど競合も提供していますが、Anthropicは特に頻繁にアップデートをかけている印象です。プロンプト案のドラフト、テスト、アップデートなど一連の流れを一気通貫で進めることも特徴です。開発者向けのツールと言っていますが、誰でも使いこなすことができるので、こちらから是非試してみてください。
出所:Improve your prompts in the developer console
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