AI検索エンジンを開発するPhindが、新しいフラッグシップAIモデル「Phind-405B」を発表しました。この最新モデルは、Metaが開発した大規模言語モデル「Code Llama」を基にファインチューニングしており、プログラミングと技術タスクに対して超高速で高精度な検索結果を提供します。
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Phindとは
Phindは、開発者に特化したAI検索エンジンです。Metaが開発した大規模言語モデル「Code Llama」を基にファインチューニングしており、コーディングに関する質問に対してGPT-4を上回る性能の応答を返すとされています。
インターネット上を検索して最新情報を引き出し、出典元の表示も可能です。検索結果はURLベースで共有することもできます。無料、有料プランがあり、Web版とVSCode拡張機能(コーディング用のアプリケーション)の両方で利用でき、開発者の業務効率を向上させる便利なツールとして高く評価されています。
Phind-405Bモデルについて
Phind-405Bは、Phindの新しいフラッグシップモデルで、プログラミングや技術タスクに特化した最先端のAIモデルです。Meta Llama 3.1 405B をベースに、プログラミングや技術タスク向けの最先端のモデルとなるようトレーニングされています。このモデルはNVIDIAのGPU:H100を256個用いてトレーニングされています。
128Kトークンのコンテキストを扱うことができ、HumanEval(プログラミング能力を判断するベンチマークテスト)でClaude 3.5 Sonnet相当のスコアを獲得しています。Phindの有料プラン契約者が利用することができます。
例えば、特定の情報を与えてWebサイトを制作することができます。例では、Paul Grahamという投資家の書いたエッセイ(Founder Mode)の内容をもとにしたWebサイトの制作を依頼しています。すると自律的に調査を実施し、デザイン性の高いWebサイトを自ら制作することができています。
「Phind-405B」について一言
AI検索エンジンとしてはPerplexityが有名ですが、Phindエンジニア向けのAI検索エンジンとされています。ですが、一般的な質問への回答も可能ですし、上記記事のようにWebサイトを出力できる点も考慮すると、Perplexityと同じカテゴリと捉えても良いと思います。
実際に検索をかけてみるとPerplexityより数倍早い気がします。検索はスピードが体験に大きな影響を与えるので、日本国内での知名度ではPerplexityに劣りますが、性能では優位に感じています。上記のWebサイトの例も写真を自律的に見つけてきたりと、痒いところに手が届く印象です。
記事に出ていたH100はNVIDIAの開発するGPUチップで、1チップ日本円で500万円程度するそうです。トレーニングには256個用いてるので、純粋に13億円程度の設備投資を要しています。基盤モデルはさらにだと思いますが、ファインチューニングを本格的にやる場合にかかる費用にも愕然とします。
出所:Introducing Phind-405B and faster, high quality AI answers for everyone