Claude for Enterprise:ChatGPTに次ぐ大規模チーム向けの総合型AIサービス

Claude for Enterprise

Claudeを提供するAnthropicはエンタープライズ向けに特化したClaude Enterpriseプランを発表しました。強力な機能を提供し、チームの知識共有とコラボレーションを効率化します。500Kの拡張コンテキストウィンドウ(取り扱うことのできる情報量)やGitHub統合により、より多くのデータを活用し、セキュリティと管理機能を強化しています。

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目次

Claude for Enterpriseの概要

Claude Enterpriseは、組織全体の知識を一元管理し、安全に利用できるAI支援プラットフォームです。拡張されたコンテキストウィンドウや高度なセキュリティ機能、GitHubとのネイティブ統合により、コード操作や大規模プロジェクトをスムーズに支援します。企業はチーム全体の作業効率を最大化でき、業務プロセスの向上が見込まれます。価格は公表されておらず、利用を希望する企業は営業チームに問い合わせる必要があります。


Claude for Enterpriseの特徴

Claude Enterpriseは、500Kのコンテキストウィンドウを活用して、数百件のドキュメントやコードを同時に処理することが可能です。企業は大量のデータをモデルに統合できる環境が整います。たとえば、営業記録や財務レポート、コードのレビューなど多様かつ大量のデータを取り込み、Claudeを介して瞬時に検索・参照できるようになります。

500Kのコンテキストウィンドウ
500Kのコンテキストウィンドウ

Claudeで生成した業務の成果物やアイデアを共有する機能も備えています。例えば、プロジェクトのコンテンツやコード、レポートなどを、リアルタイムで共有することができます。

Share機能
Share機能

また、GitHubとの統合は(ソフトウェア開発プラットフォーム)、エンジニアにとってコードベースの操作やプロジェクトの反復作業を円滑に進めるための強力な機能です。GitHubリポジトリ(ソースコード)をClaudeと連携させることで、コードのレビューやバグ修正、新機能の開発が容易になり、エンジニアチーム全体が効率よく作業を進めることができます。

Githubとの統合
Githubとの統合

さらに、Claude Enterpriseは、企業データの保護と管理を重視した強固なセキュリティ機能を提供します。シングルサインオン(SSO)やクロスドメインID管理システム(SCIM)、監査ログなど、エンタープライズレベルのセキュリティ基準を満たし、企業の機密情報を安全に管理します。


「Claude for Enterprise」について一言

大企業における生成AI活用の手段としては、簡易的なSaaS(Exabase、Givery)、PaaS上のツールをカスタマイズ(Azure、AWS)などがありますが、今回のClaude for Enterpriseは先行してリリースされているChatGPT for Enterprise同様統合型のSaaSに位置付けられます。よりスピーディに導入でき、機能も充実している点において簡易的なSaaS、PaaSの良いとこどりのアプローチです。

統合型SaaSではChatGPT for Enterpriseが先行していますが、実績としてはToyota Connected、楽天など国内では数社に留まっています。Claude for Enterpriseは文章生成の質の高さ、Artifactの存在(生成したアウトプットをインデックスしたりコードを実行する環境)がChatGPTとの差異かと思いますが、大企業の生成AI活用の一つの可能性となるのか注視が必要です。

出所:Claude for Enterprise

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執筆者

慶應義塾大学卒業後、総合化学メーカーを経てデロイトトーマツコンサルティングに在籍。新規事業立ち上げ、M&A、経営管理、業務改善などのプロジェクトに関与。マーケティング企業を経て、株式会社ProFabを設立。ProFabでは経営コンサルティングと生成導入支援事業を運営。

TechTechでは、技術、ビジネス、サービス、規制に関する最新ニュースと、各種ツールの実務的な活用方法について、初心者でも理解できる明瞭な発信を心掛ける。日本ディープラーニング協会の実施するG検定資格を保有。

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