2024年7月30日、デザインプラットフォームの巨人Canvaは、AIによる画像生成サービスを提供する企業Leonardo AIを買収したことを発表しました。これにより、Canvaは生成AI技術を一層強化し、自社プラットフォーム上の1億9,000万人のユーザーに、より多彩で革新的なデザイン体験を提供することを目指しています。
CanvaによるLeonardo AI買収の概要
2024年7月30日、Canvaは生成AIプラットフォームであるLeonardo AIの買収を発表しました。Leonardo AIは、AIによる画像生成を専門とする企業であり、設立からわずか2年で急成長を遂げています。
今回の買収により、CanvaはLeonardo AIの優れた画像生成モデルと120名の優秀な研究者、エンジニア、デザイナーのチームを獲得することになります。Canvaの既存のAI製品群であるMagic Studioと統合され、より多彩なビジュアルコンテンツの制作が可能になると期待されています。
Leonardo AIとは
Leonardo AIは、2022年に設立されたオーストラリアのシドニーを拠点とする企業で、AIを用いた画像生成技術を提供しています。同社はStable Diffusionという技術を活用し、ユーザーフレンドリーなウェブアプリケーションを通じて、ゲームやエンターテインメント分野でのコンテンツ制作の革新を目指して活動してきました。
Leonardo AIのプラットフォームは、技術的な専門知識が少ないユーザーでも簡単に画像を生成できるよう設計されています。先端の機能を多数活用し、モデルの微調整、正確なプロンプトの解釈などに優れ、リアリティを追求した写真から、キャラクターの肖像画、アニメ、絵画風のスタイルなどまで、さまざまな画像・動画を容易に生成できます。
Canvaによる買収の狙い
CanvaがLeonardo AIを買収した主な目的は、自社のビジュアルコンテンツ制作ツールの強化と、生成AI技術のさらなる進化を図ることです。特に、Leonardo AIの技術をCanvaのMagic Studioに統合することで、ユーザーはより多くのオプションと機能を利用できるようになります。
Canvaは2019年からAI統合サービス展開に向けた準備を進めており、2021年にAIデザイン企業Kaleidoの買収、2023年にMagic Studioの提供を開始しました。
Magic Studioはカスタマイズされたデザインテンプレートを生成するMagic Designやテキストを多言語にシームレスに翻訳するMagic Translateなどから構成される、プロフェッショナルなデザインを簡単に作成できるツールです。
今回の買収を踏まえた正確なプロダクトロードマップは示されていませんが、CanvaがLeonardo AIのAIモデルを活用することは当然ながら、Leonardo AIにおいてもCanvaのアセットを活用した既存サービスの開発は継続していくようです。
「CanvaによるLeonardo AI買収」について一言
お恥ずかしながらデザインに関わる身でありながら、Canvaはよく使いますが、Leonardo AIは初耳でした。Leonardo AIのサービスは、CanvaのAI機能が不十分である生成精度やプロンプト入力の部分に優れているので良い補完関係になるかと思いました。
CanvaはAffinityというプロ向けのデザインツールも買収しており、今回のLeonardo AIと合わせて手持ちのアセットは十分という感じなので、これをどのように最適化してサービスとして展開していくかはユーザーとしてもビジネスとしても気になるところですね。