昨年2月に大規模言語モデル(LLM)を搭載したチャット回答を導入して以来、Bingは検索の革新を続けています。現在、新たに「生成検索(Bing Generative Search)」を一部のユーザーに提供し、生成AIの力を駆使して新たな検索体験を検証しています。
Bing generative searchの概要
昨年2月にBingが大規模言語モデル(LLM)を搭載したチャット回答を導入して以来、検索体験の革新を続けてきました。現在、Bingは新たに「生成検索(Bing Generative Search)」を一部のユーザーに提供しています。生成AIの力を検索画面に組み合わせ、ユーザーの検索意図に対してオリジナルで十分な回答を生成することができるようになっています。
Bing generative searchの検索画面
Bingの生成検索は、ユーザーが入力したクエリに基づいて、従来の検索結果に加えて、AI生成の情報を提供します。例えば、「象の寿命は何年?」と検索すると、Bingは直接的な回答に加え、種別ごとの寿命といった間接的な回答、寿命に影響を与える要因といった付帯的な情報までも表示されます。
リンク、ソースが示され、情報が読みやすく、理解しやすい形式で可視化されるため、ユーザーは任意のトピックについてさらに理解を深めることができます。また、従来の検索結果もページ内に目立つ形で表示されるため、ユーザーにはウェブサイトを経由した情報収集といった選択肢も引き続き残されています。
Bing generative searchの今後
生成機能による検索体験がサイトを運営するコンテンツ制作サイドに与える影響については継続的な調査対象としていますが、初期データでは新しい検索体験によるウェブサイトへのクリック数への影響は大きくはなく、ウェブ上のエコシステムは維持されているようです。
Bingはユーザーからのフィードバックを集め、テストを繰り返し、より広く提供する前に優れた体験を作り上げることに注力するとしています。現時点でも生成機能とした検索体験を試すことはできますが、ここで説明されているレイアウトの検索画面の一般リリースはまだ先のようです。
「Bing generative search」について一言
昨日の「SearchGPT」に続いて検索領域における生成AI活用のニュースです。
マイナーチェンジモデルについては(上記ニュースのレイアウト提供はこれから)すでに試すことができますが、かなり使いやすいですし、かゆいところに手が届きます。例えば上記の例と同じく「象の寿命について」と検索すると、当然寿命に関する情報は出てきますが、離乳期、妊娠期などライフサイクルごとの説明なども自動的に表示されます。
コンテンツ制作サイドのことにも配慮して従来の検索画面も残るようですが、サイトクリック前の検索画面でここまで充実した情報が表示されてしまうと、ノークリック検索がスタンダードになるのは必然な気がします。これからの情報発信は本当にオリジナルで、深みがある価値のあるものしか残らないでしょう。