Microsoftが2024年7月10日から7月14日にかけてGPT Builderを廃止し、これに関連する全てのデータを削除する発表をしました。このニュースの意味合いと影響についてご紹介いたします。
Copilotのプラン
Microsoft Copilot(コパイロット)は、Microsoft 365 と大規模言語モデル(LLM)を組み合わせて、ユーザーの創造性や生産性、スキルを向上させることのできるツールで、大きく2つのプランが提供されています。
Copilot Pro
個人向けの有償プランで、月額¥3,200で提供されています。Word、Excel、PowerPointなどのMicrosoft 365アプリからCopilotを利用することができます。またGPT Builderと呼ばれる、特定の作業に特化したチャットボットを自然言語ベースで作成する機能もあり( ChatGPTのGPTsと類似)、業務の効率化を図ることが可能です。
Copilot for Microsoft 365
法人向けのプランで、Copilot Proの機能に加え、Teamsやその他のOfficeアプリから利用することができます。このプランは、企業のニーズに応じてカスタマイズ可能であり、社内データやポリシーに基づいて動作するよう設定することができます。これにより、企業はより効率的に業務を遂行できるだけでなく、セキュリティやコンプライアンスの観点からも安心して使用することができます。
ニュースの要約
Microsoftは2024年7月10日から7月14日にかけてGPT Builderを廃止し、これに関連する全てのGPTデータを削除することを発表しました。これは、Microsoftおよび顧客が作成したすべてのGPTを含みます。またCopilot ProでのCopilot GPTのサポートも終了する予定です。
背景としては、個人向けCopilotに関する戦略を再評価し、コア製品を優先しながら法人向けの需要に移行する意図があります。これにより、MicrosoftはGPT Builderの取り組みを停止し、法人向けにリソースを集中させることになります。
ユーザーによって作成されたCopilot GPTはすべて削除され、作成されたGPTに引き続きアクセスすることはできません。GPT Builderを利用しているユーザーに大きな影響を与えるため、早急に対応することが求められます。作成されたGPT Builderを保管するための方法はこちらをご覧ください。
Microsoftは今後も法人向けに高度な機能を提供し続ける一方で、個人向けのCopilot Proも引き続き強化していく予定です。
「GPT Builder廃止」について一言
Microsoftのリリースを見ると、GPT Builderの廃止について個人向けプランであるCopilot Proを念頭に表現されています。普通に読むと、プランに関わりなくGPT Builderは廃止なのでしょうが、法人向けでどうか、については解釈の余地がありそうです。
正直Coplitは他の生成AIサービスと比較してクオリティで完全に置いて行かれているため、GPT Builderが廃止になっても大きな影響は出ないと思いますし、それゆえの廃止とも思えます。
個人向けの量を追うビジネスはOpenAI(ChatGPT)やGoogle(Gemini)、法人の質を追うビジネスはMicrosoft(Copilot)という棲み分けが鮮明になっていきそうです。