ChatGPTは、OpenAIが開発した大規模な言語モデルに基づく対話型AIシステムです。自然言語処理技術を活用することで人間とリアルタイムで自然な対話が可能であり、文章作成(論文、ストーリー等)、コード生成、データ分析や計算、質疑応答、ブレインストーミング、言語学習の支援、カスタマーサポート業務などに活用されています。
本記事ではChatGPTの基本、モデル、プラン、ログイン方法・使い方、注意点、使いこなしのコツまで実例を交えて説明しています。ゼロから始める方、すでに使い始めている方それぞれに役にたつ情報になっていると思います。
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ChatGPTとは
ChatGPTは、OpenAIが開発した大規模な言語モデルに基づく対話型AIシステムです。自然言語処理技術を活用することで人間とリアルタイムで自然な対話が可能であり、文章作成(論文、ストーリー等)、コード生成、データ分析や計算、質疑応答、ブレインストーミング、言語学習の支援、カスタマーサポート業務などに活用されています。
OpenAIとChatGPT
OpenAIは「全人類に利益をもたらす形で安全なAIを開発し、展開する」をミッションに掲げるAI研究開発企業です。2015年に設立され、昨今メディアを騒がせているイーロン・マスクやサム・アルトマン、イリヤ・サツキヴァーなどにより2015年に設立されました。
OpenAIは様々なAIモデルを開発してきましたが、その中でも特に注目されているのがChatGPTです。ChatGPTはGPT(Generative Pre-trained Transformer)という技術をベースにしており、大量のテキストデータを学習することで、高度な言語理解と生成能力を持っています。
この技術を駆使することで人間のように対話を行うことができるため、特に2023年3月のGPT-4(GPTモデルのversion-4)公開以後、世間の注目を集めています。
生成AIとChatGPT
これまでのAI技術が定型文の生成や簡単な質問応答に留まり、文脈の理解が困難であったのに対し、生成AIは与えられたデータから新しいデータを生成することができ、文脈理解も可能であるため、高い生成能力を示します。
生成AIはテキスト、画像、音声など様々な形式のデータ生成を含みますが、ChatGPTはこの中でテキスト生成に特化した生成AIです。
その他、テキスト生成AIとしては、GoogleのGemini、AnthropicのClaude、Perplexity AIのPerplexityがありGeminiは分析向け、Claudeは文章向け、Perplexityは検索向けなどと言われることがありますが、どのモデルも定期的にアップデートがあるので、固定的なものではないでしょう。
名称 | サービス名 |
---|---|
テキスト生成 | ChatGPT、Gemini、Claude、Perplexity |
画像生成 | Midjourney、Stable Diffusion、Adobe Firefly |
音楽生成 | Music LM、Sono AI |
動画生成 | Gen-2、Lumen5 |
基本的な機能
ChatGPT関連のアップデートを見ると様々な情報がありますが、基本となる機能はこの4つです。ChatGPTについてはサービス名としての表現(広義)と機能名(狭義)としての表現が重複しているので読み分ける必要があります。
以前はこの4つの機能を目的に合わせてユーザーが使い分けていましたが、現在のサービスでは、ユーザーの指示から必要とされる機能をChatGPT側が自動的に解釈して使い分けてくれるので、使い分けに気を遣う必要はなくなりました。
また検索について補足しておくと、ChatGPTはある決まった期間のデータセットをもとにした言語モデルなので、今現在の情報について出力することができません。検索機能は今現在のウェブ上の情報を検索することでこの点を補うことができます。
名称 | 機能 | 概要 |
---|---|---|
ChatGPT | 自然言語処理 | 自然な言語での対話が可能で、テキスト生成、情報提供、翻訳、コーディングに利用可能です。 |
DALL-E 3 | 画像生成 | 自然言語による指示をもとに高品質な画像を生成することができます。 |
Code Interpreter | データ分析 | データ解析、プログラム実行、計算を行います(PDFの読み込みなども)。 |
Browsing | 検索 | リアルタイムでインターネット上の情報を検索し、最新の情報を取得します。 |
ChatGPTのプランと料金
ここではChatGPTの話題でよく登場するGPT-3.5やGPT-4といったモデル、実際に使い始める際に気になるプランと料金について紹介いたします。
モデル
ChatGPTのモデルは定期的にアップデートがなされておりますが、現在利用可能なモデルをご紹介します。GPT-3は2020年5月、GPT-4は2023年3月、GPT-4oは2024年5月に公開されており、2024年6月時点ではGPT-5の開発に着手がなされたことが報じられています。
基本的に最新のモデルの方が処理性能が高いです(人間のように会話する)。また画像、音声、動画など人間が入力・出力する媒体についても処理できるものが拡張しているというのがアップデートの方向性です。
商品 | 処理可能トークン数 | 特徴 |
---|---|---|
GPT-3.5 | 4,096 トークン | ・基本的な応答性能を備える。 |
GPT-4 | 32,768 トークン | ・より高度な言語理解能力があり、多くのコンテキストを処理の取り扱いが可能。 ・画像処理、データ分析、検索機能が利用可能。 |
GPT-4o | 128,000トークン | ・トークン数の効率化により、少ないコストでGPT-4と同等品質の応答性能を実現。 ・テキストだけでなく、画像、音声、動画など複合的なデータ処理性能が向上。 |
https://learn.microsoft.com/ja-jp/dotnet/ai/conceptual/understanding-tokens)」
とは「大規模言語モデル (LLM) でテキストを分解するために使用される単語、文字セット、または単語と句読点の組み合わせです。 トークン化は、モデル学習の最初のステップです。 LLM では、トークンが一緒に使用される頻度や、同様の文脈で使用されるかどうかなど、トークン間の意味関係を分析します。 モデル学習後、LLM では、それらのパターンや関係を使用して、入力トークンに基づいた出力トークンの文字列を生成します(出典:プランと料金
プランも無料、有料複数あります。モデルのアップデートに合わせてプランも定期的に見直されており、2023年5月のアップデートにて、これまで有料限定であったデータ分析、検索、GPTs(カスマイズされたチャットボット)も無料プランの対象となっており、使いやすいサービスになっています。
また、こちらに示されているプランの他に、Microsoft Azure、AmazonのAWS経由でChatGPTを契約するパターンもあり、その場合のプランはまた変わってまいります(別途紹介します)。
プラン | 月額料金 | 利用可能なモデル | 特徴 |
---|---|---|---|
Free | 無料 | GPT-3.5、 GPT-4o | ・基本的な機能、GPT-4oの限定的なアクセス(データ分析、検索、GPTs)。 |
Plus | $20/月 | GPT-3.5、GPT-4、GPT-4o | ・新機能への早期アクセス、画像生成、無制限のGPTs作成・使用。 |
Team | $25/月/ユーザー | GPT-3.5、GPT-4、GPT-4o | ・Plusの全機能、ワークスペース共有および管理コンソール。 |
Enterprise | カスタム | GPT-3.5、GPT-4、GPT-4o | ・Teamの全機能、無制限・高速アクセス、拡張コンテキストウィンドウ、優先サポート。 |
ChatGPTの使い方
PC、モバイルアプリ何からも利用することができます。2024年5月のアップデートに伴い、ログインなし、無料でChatGPTを利用することができるようになりました。ログインすると、ファイルや画像のアップロードなどの追加機能を利用できます。GoogleやMicrosoftのアカウントでもログインが可能なので、試してみてください。
PCの場合
ログインしないで使う
ChatGPTのページにアクセスすると即利用可能です。
ログインして使う
ChatGPTのページにアクセスし、「サインアップ」ボタンを押します。Google、Microsoft、Appleアカウントまたは新規のメールアドレスを用いてアカウント作成が可能です。
メールアドレスの場合は、登録したメールアドレスに確認メールが届くので、メール内のリンクをクリックしてアカウントを有効化します。
氏名、生年月日を入力して、「同意する」ボタンを押します。
画面下部にあるテキストボックスに質問や依頼を入力し、エンターキーを押すことで、ChatGPTと対話を開始します。
スマートフォンの場合
スマートフォンで利用する場合はApp StoreまたはGoogle Playからアプリをダウンロードする必要があります。
ダウンロード以後の手順は基本的にPC版と同様で、複雑な手続きはありません。同名の類似アプリがあり、中には悪質なものもあるので間違えないように注意していください。
ChatGPTの用途
ChatGPTは日頃の業務を効率化するのに非常に力強いツールではありますが、現時点の技術には限界もあるため、出来ないこと、苦手とすることがあることも事実です。大事なことはChatGPTの限界を理解した上で使ってみることだと思いますので、使い始める前の心構えとしてこの章を参考にしてください。
出来ること(得意なこと)
ChatGPTをテキストベースで利用する場合は次のような使い方ができます。今回は部分的に実際に使ってみた結果をご紹介しますが、他にも色々な使い方があると思うので是非試してみてください。
ちなみに、画像生成、データ分析など他にも使い道の広がる機能もありますが、そちらは別記事にてご紹介しようと思います。
- 企画案のアイデア出し
- プレゼンテーションの雛形作成
- キャッチコピー
- メール文の作成
- 翻訳
- 文章の要約
- 文章の添削
- プラグラミング(コード生成)
企画案のアイデア出し
ChatGPTを使ったビジネスアイデアを考えてもらいました。ビジネスアイデアやキャッチコピーを量産しようと思うと、人間の場合にはかなり時間がかかってしまうので、かなり便利ですね。
文章の要約
最近内閣府から公表された「AI事業者ガイドライン」を要約してもらいました。原文が192ページもある超大作なので概観を理解するのに便利かと思います。
プラグラミング(コード生成)
そもそもウェブサイト上は自然言語よりもプログラミング言語の方が学習リソースは豊富であるため、ChatGPTはプログラムの生成に最適です。
出来ないこと(苦手なこと)
正確な情報の生成
誤情報や架空の情報を生成することをハルシネーションと呼びますが、ChatGPTをはじめとして生成AIの精度が上がるにつれてハルシネーションはかなり減ってきた印象です。
ただし、基本的に学習データが多いほど精度が高いため、専門性の高い分野、解釈の余地がある分野、特定の個人に関する情報など、データ量が不足しそうな分野であるほどハルシネーションは発生します。
「千葉県の由来」については、「数多くの葉が繁茂する」のような説はウェブ上に情報があるものの、ChatGPTでは「千葉氏」を由来とする根拠のないものが生成されきました。
直近の情報の生成
今現在利用しているChatGPTの元となる学習データはある時期までのものなので、直近の情報をもとにした出力はできません。
ここで利用している ChatGPT-4oは2023年10月末までのデータに基づいているので、2024年5月に発表されたGPT-4o自身についての情報は持田鶴、「最新のChatGPTモデル」に対する質問も2023年10月末時点の回答が示されました。
URLの参照
URLの参照は以前は出来ませんでしたが、足元はできるようになりました。ただし、精度は今ひとつなので注意が必要です。
例えば、次の例ではOpenAIのブログ記事ページを参照して、カテゴリーと記事を表形式で整理するようなお願いをしていますが、存在しないタイトルが含まれてしまっています。
ChatGPT利用上の注意点
ChatGPTは使いようによっては非常に便利です。しかし「便利なものは危険なもの」にもなり、自分だけではなく、他人、社会への悪影響を及ぼす可能性を孕んでいます。この章では4つの注意点をご紹介しますので、ChatGPTを本格的に使い始める前に、一読すると良いと思います。
正確性の確認
ChatGPTは、幅広い情報に基づいて応答を生成しますが、単語と単語の関係性をもとに確からしい言葉を出力しているに過ぎないので、その内容が必ずしも正確であるとは限りません。
信頼のおけるソースを使ったダブルチェックは徹底しましょう。加えて、ChatGPTの知識は定期的に更新されますが、リアルタイムの情報提供はできません。最新の情報が必要な場合は、最新のニュースソースや公式発表を参照してください。
偽ツールに対する警戒
ChatGPTの人気に伴い、偽のツールやアプリケーションが出回ることがあります。これらの偽ツールは、個人情報の盗難やマルウェア感染のリスクを伴います。
ChatGPTを利用する際は、必ず公式サイトや認証済みのアプリストアからダウンロードするようにしましょう。別の生成AIサービスや、スマートフォンからアプリをダウンロードする際も間違えやすいので注意してください。
プライバシーへの配慮
ChatGPTを利用する際には、個人情報や機密情報の取り扱いに注意が必要です。AIとの対話内容は、データとして収集される可能性があるため、チャット中に住所、電話番号といった個人情報の入力することは避けましょう。
ChatGPTではチャットに入力した情報を学習データとして活用する仕組みがありますが、設定画面からこの仕組みをオフにすることもできるので、機密情報を取り扱う際は特にこの設定を利用しましょう。
倫理観を持った利用
ChatGPTを利用する際には、倫理的な観点からの配慮も重要です。差別的、暴力的、または不適切なコンテンツの生成や共有を避けましょう。AIを利用して、他者を傷つけるような行動は厳禁です。
世界各国で進められているで生成AIを用いた生成物の取り扱いについての議論の注視も必要ですが、まずはOpenAIの利用規約に準拠したサービス利用を心がけて、能動的にリスクに配慮していきましょう。
ChatGPT使いこなしのコツ
ここまでご紹介したようにChatGPTを利用すれば、アイデア創出や文書作成をはじめとして、これまで困難であったタスクを代替し、自動化できることが期待されます。
一方で、ChatGPTは自然言語をインプットにアウトプットを返す仕組みであるため、指示の仕方(プロンプト)により、自分の意図した回答を得られるかどうかが変わってきます。
今後ChatGPTを使いこなしていくにあたり、ChatGPTが公開しているプロンプトエンジニアリングの手引きの中から、参考になるそうな部分をご紹介します。
明確な指示を出す
AIモデルにプロンプトを投げかける際に最も重要な点が明確で具体的な指示を与えることです。これにより、モデルがユーザーの意図をより正確に理解し、適切な回答を生成する可能性が高まります。
具体的には、ChatGPTサイドに役割を与える(例:あなたは敏腕コピーライターです)、属性の異なる部分を区切り文字を用いて明示する(例:#前提、#依頼)、タスクの具体的な手順を示す、具体例を提供する、希望する出力の長さフォーマットを示すなどがあります。
参照テキストを提供する
AIモデルは、特に難解なトピックや引用やURLを求められた場合、自信を持って架空の回答を作成することがあります。これを防ぐためには、参照テキストを提供することが重要です。
検索ができるためURLを提示して検索をかけることもできますがあまり精度は高くないようで、参照テキストからの原文を引用することで誤りの少ない回答を得ることができます。
複雑なタスクを単純化する
ソフトウェア開発において、複雑なシステムをモジュールに分解するのが良いとされるように、AIモデルに提出するタスクも同様に分解することが望ましいです。複雑なタスクは単純なタスクに比べてエラーが発生する傾向にあります。
タスクを複数のステップに分解して明示する際には、各ステップを識別記号(例:#)を用いることや、重要度の違いについて触れることで、モデルの回答精度が向上します。
モデルに「考える」時間を与える
問題に対する回答を確認したい際に、「100円のみかん3つ、200円のリンゴ2つを買ったときの合計は800円であっているか?」という聞き方が単刀直入ではありますが、ChatGPTではよく判断を誤ることがあります(本当は700円ですが「合っています」と返すことがあります)。
「複雑なタスクを単純化する」に共通する部分でもありますが、この場合はいきなり結論を確認するのではなく、ChatGPTに独自の回答プロセスを出力してもらうようなプロンプトの工夫が必要になります。
まとめ
ChatGPTを使い始めるにあたって必要なことを網羅的に説明してきました。生成AIを使うことでこれまで人が時間をかけていた多くの作業を機械に任せることができます。ChatGPTは生成AIの中でも最もユーザー数が多いサービスなので、初手としてトライするのに損はないかと思っています。
定期的にアップーデートがあり、使い方やできることも大きく変わっていくので、本記事も定期的に更新を重ね、価値ある情報を届けていきたいと思います。
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